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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和31(あ)2449

事件名

 詐欺、恐喝

裁判年月日

 昭和31年11月20日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第10巻11号1542頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和31年5月21日

判示事項

 祈祷をなし財物を取得する所為が詐欺罪を構成する事例

裁判要旨

 一 祈祷師が、自己の行う祈祷が全然治病の効能なく、良縁、災難の有無、紛失物の行衛を知る効もないことを信じているにかかわらず、いかにもその効があるように申し欺いて祈祷の依頼者から祈祷料等の名義で金員の交付を受けるときは、詐欺罪を構成する。
二 (裁判官垂水克己の補足意見)
かように依頼者が効能を期待せず且つ祈祷者において依頼者のかような意中を察して有料の祈祷等を約する場合には、たとえ祈祷者が予め依頼者に対しそれが効能あるもののように申し述べても、彼は依頼者が効能がなくても祈祷料をだすことを知つているかぎり、それだけでは彼は依頼者を欺く意思を有するものということはできない。また、祈祷者等が自から効能の可能性が多少でもあることを信ずる場合には依頼者に対し効能があると―余りに誇大でなく―申し述べても彼を欺く意思があるものということはできない。

参照法条

 刑法246条,裁判所法11条

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