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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和39(し)1

事件名

 訴訟記録閲覧につきなした抗告棄却決定に対する特別抗告の申立

裁判年月日

 昭和39年2月5日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第150号411頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和38年12月18日

判示事項

 訴訟記録の閲覧拒否と刑訴法第五三条第一項の解釈、適用の適否。

裁判要旨

 一 訴訟記録の閲覧、謄写に関する法条の解釈、適用について原決定の示す判断は相当である。

二 (原決定の判断の要旨)刑訴法第五三条第一項の被告事件の終結後とは、被告事件の確定後の趣旨に解すべきであつて、申立人の被告事件は第一審の裁判宣告後申立人から控訴があり、未確定なので、右第五三条の場合に該当しない。従つて申立人が右第五三条に基づいてその訴訟記録の閲覧を要求することはできない。もつとも被告人は刑訴法第四九条により、弁護人がないときは、公判調書は閲覧することができ、申立人が主張する日時当時は申立人に弁護人がなかつたので、申立人自身が被告人の資格において公判調書の閲覧をなし得るわけであるが、これは公判調書のみの閲覧であり、訴訟記録全部の閲覧権まではない。もちろん記録の謄写は許されないから訴訟記録全部の閲覧拒否を刑訴法第五三条の違反とする本件抗告理由はない。

参照法条

 刑訴法53条1項,刑訴法53条3項,刑訴法40条,刑訴法49条

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