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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和49(あ)1377

事件名

 大阪市屋外広告物条例違反

裁判年月日

 昭和50年5月29日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第196号517頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和49年5月17日

判示事項

 一 大阪市屋外広告物条例(昭和四九年四月一日大阪市条例三二号による改正前のもの)二条一項、四条三項、一六条一号と憲法二一条、三一条、九四条、四一条との関係
二、観念的競合の関係にある二つの罪のうち一つについて刑の廃止があるが原判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないとされた事例

裁判要旨

 一 大阪市屋外広告物条例(昭和四九年四月一日大阪市条例第三二号による改正前のもの)二条一項、一六条一号は憲法二一条、四条三項、三一条、九四条、四一条に違反しない。
二 被告人に対する本件公訴事実のうち、被告人が大阪市条例によりはり紙の表示が禁止された物件である電柱にビラ五枚を表示した点については、原判決後の法令により刑の廃止があった場合にあたるが、右事実は法定の除外事由がないのに大阪市長の許可を受けないではり紙を表示した事実と観念的競合の関係にあるものとして起訴されており、かつ、これら両罪の法定刑は同一であること、被告人に対する原判決の科刑(罰金二、〇〇〇円、換刑一、〇〇〇円一日、一年間執行猶予)は、法定の除外事由がないのに大阪市長の許可を受けないではり紙を表示した罪だけに対する科刑としても不当に重いとは認められないことを考慮すると、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。

参照法条

 大阪市屋外広告物条令(昭和49年4月1日大阪市条例32号による改正前のもの)2条1項,大阪市屋外広告物条令(昭和49年4月1日大阪市条例32号による改正前のもの)4条3項,大阪市屋外広告物条令(昭和49年4月1日大阪市条例32号による改正前のもの)16条1項,憲法21条,憲法31条,憲法41条,憲法94条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号,刑法54条1項前段

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