裁判例検索

裁判例結果詳細

最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)249

事件名

 建物明渡請求

裁判年月日

 昭和44年10月7日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第97号1頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和40(ネ)2017

原審裁判年月日

 昭和43年11月30日

判示事項

 一、賃借人に不利な特約にあたらないとされた事例
二、同時履行の抗弁権行使のためにのみ建物を占有している場合と不当利得の成否

裁判要旨

 一、甲が乙に対し乙と同一の営業を一定期間一定区域内で行なわないことを約し、その補償として乙から金銭の交付を受け、甲がこれに違反したときのみでなく、第三者が右期間右区域内で同一の営業をした場合にも右金銭を返還する旨の契約をし、同時にこれと一体不可分の契約をもつて乙が甲から店舗を賃借し、右のような第三者の営業開始等の場合には甲に店舗を返還する旨の特約をしたなど判示の事実関係のもとにおいては、右特約は、第三者の営業開始の事実を条件として当然に賃貸借契約を終了させる趣旨のものではあるが、借家法六条にいう賃借人に不利な特約にあたるものではない。
二、建物を同時履行の抗弁権の行使のためにのみ占有しているにすぎず、これを実際に使用収益していない者は、所有者に対し、占有による不当利得の返還義務を負うものではない。

参照法条

 借家法6条,民法533条,民法703条

全文