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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和57(オ)1026

事件名

 所有権移転登記手続

裁判年月日

 昭和59年1月19日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 その他

判例集等巻・号・頁

 集民 第141号1頁

原審裁判所名

 名古屋高等裁判所

原審事件番号

 昭和57(ネ)26

原審裁判年月日

 昭和57年6月29日

判示事項

 不動産について登記原因たる贈与を否定して所有権移転登記の抹消登記手続を求める前訴を提起して敗訴した者が右贈与の負担の不履行を理由に贈与契約を解除したとして所有権移転登記手続を求める後訴を提起した場合において後訴の提起は信義則に違反するものとはいえないとされた事例

裁判要旨

 原告が、前訴において、登記原因たる贈与の事実を否定して所有権移転登記の抹消登記手続を求め、負担付贈与契約の成立を理由とする請求棄却の判決を受けた場合に、右贈与の負担である生活費の支払が前訴係属以前から行われていないときであつても、右判決の確定後の不履行を理由に贈与契約を解除して右不動産につき所有権移転登記手続を求める後訴を提起することは、前訴において仮定的に右契約の解除を主張することが容易であつたとか、それが期待されていたとはいい難く、かつ、後訴提起までは右贈与契約成立時から四年余、前訴確定時から約一〇か月の期間しか経過していないなど判示のような事情のもとにおいては、信義則に違反するものとはいえない。

参照法条

 民法1条2項,民訴法第2編第1章訴

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