裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成12(受)1000
- 事件名
不当利得返還等,不当利得返還請求事件
- 裁判年月日
平成15年9月11日
- 法廷名
最高裁判所第一小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第210号617頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
平成11(ネ)120
- 原審裁判年月日
平成12年3月30日
- 判示事項
1 信用保証会社の受ける保証料及び事務手数料が貸金業者の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たるとされた事例
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払ったことによって生じた過払金と他の借入金債務への充当
- 裁判要旨
1 貸金業者甲の受ける利息,調査料及び取立料と甲が100%出資して設立した子会社である信用保証会社乙の受ける保証料及び事務手数料との合計額が利息制限法所定の制限利率により計算した利息の額を超えていること,乙の受ける保証料等の割合は銀行等の系列信用保証会社の受ける保証料等の割合に比べて非常に高く,乙の受ける保証料等の割合と甲の受ける利息等の割合との合計は乙を設立する以前に甲が受けていた利息等の割合とほぼ同程度であったこと,乙は甲の貸付けに限って保証しており,甲から手形貸付けを受ける場合には乙の保証を付けることが条件とされていること,乙は,保証委託契約の締結業務及び保証料の徴収業務を甲に委託しており,信用保証契約の締結に際しても独自の審査を行っておらず,甲が債権回収のための訴えの提起を行っていたことなど判示の事実関係の下においては,乙の受ける保証料等は,甲の受ける利息制限法3条所定のみなし利息に当たる。
2 同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において,借主が一つの借入金債務につき利息制限法所定の制限を超える利息を任意に支払い,この制限超過部分を元本に充当してもなお過払金が存する場合,この過払金は,当事者間に充当に関する特約が存在するなど特段の事情のない限り,民法489条及び491条の規定に従って,弁済当時存在する他の借入金債務の利息及び元本に充当され,当該他の借入金債務の利率が利息制限法所定の制限を超える場合には,貸主は充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得することができない。
- 参照法条
利息制限法1条1項,利息制限法2条,利息制限法3条,民法136条2項,民法488条,民法489条,民法491条
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