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最高裁判所判例集

事件番号

 平成13(受)164

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 平成16年9月7日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第215号63頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成10(ネ)536

原審裁判年月日

 平成12年10月26日

判示事項

 看護婦から点滴により抗生剤の投与を受けた患者が投与開始直後にアナフィラキシーショックを発症して死亡した場合において医師にあらかじめ看護婦に対し投与後の経過観察を十分に行うこと等の指示等をすべき注意義務を怠った過失があるとされた事例

裁判要旨

 看護婦から点滴により抗生剤の投与を受けた患者が投与開始直後にアナフィラキシーショックを発症して死亡した場合において,同抗生剤がその発症の原因物質となり得るものであること,当該患者が薬物等にアレルギー反応を起こしやすい体質である旨を申告していたことなど判示の事実関係の下では,担当医師には,上記抗生剤を投与するに当たって,アナフィラキシーショック発症の可能性を予見し,これに備えて,あらかじめ,担当の看護婦に対し投与後の経過観察を十分に行うこと等を指示するとともに,発症後に迅速かつ的確な救急処置を執り得るような医療態勢に関する指示等をすべき注意義務があり,このような指示をしないで担当看護婦に上記抗生剤の投与を指示したことにつき,上記注意義務を怠った過失がある。

参照法条

 民法415条,民法709条

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