裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成15(受)995
- 事件名
損害賠償請求事件
- 裁判年月日
平成17年2月15日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄自判
- 判例集等巻・号・頁
集民 第216号303頁
- 原審裁判所名
大阪高等裁判所
- 原審事件番号
平成14(ネ)2402
- 原審裁判年月日
平成15年2月28日
- 判示事項
1 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合における当該役員報酬の支払の効力
2 株主総会の決議を経ずに役員報酬が支払われたことを理由として当該報酬相当額の賠償を求める株主代表訴訟において被告とされた役員らが同訴訟提起後に当該報酬につき株主総会の決議を経たことを主張することと訴訟上の信義
- 裁判要旨
1 株主総会の決議を経ずに支払われた役員報酬について事後に株主総会の決議を経た場合には,当該決議の内容等に照らして商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)269条及び商法279条1項の規定の趣旨目的を没却するような特段の事情があると認められない限り,当該役員報酬の支払は株主総会の決議に基づく適法有効なものになる。
2 株主総会の決議を経ずに役員報酬が支払われたことを理由として当該報酬相当額の賠償を求める株主代表訴訟において,被告とされた役員らが同訴訟提起後に当該報酬につき株主総会の決議を経たことを主張することは,当該決議に同訴訟を同役員らの勝訴に導く意図があったとしても,それだけでは訴訟上の信義に反して許されないものとはいえない。
- 参照法条
商法(平成13年法律第128号による改正前のもの)267条,商法(平成14年法律第44号による改正前のもの)269条,商法279条1項,民訴法2条,民法1条2項
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