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最高裁判所判例集

事件番号

 平成4(オ)996

事件名

 地位確認等

裁判年月日

 平成6年7月14日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第172号819頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成2(ネ)2471

原審裁判年月日

 平成4年2月19日

判示事項

 一 期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員の任用が違法ということはできないとされた事例
二 期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員を任用予定期間満了時に再び任用しない措置と国家賠償法に基づく損害賠償責任の成否

裁判要旨

 一 期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員の任用の当時、右職員が配属された国立大学付属図書館の閲覧掛の事務量が正規任用に係る常勤職員のみによって処理することができる範囲を超えていたが、直ちに常勤職員の定員を増加することは実際上困難であり、同掛の業務のうち図書の貸出し、返却図書の受領等のいわゆるカウンター業務は、特別の習熟、知識、技術又は経験を必要としない代替的業務であって、日々雇用職員によっても適正に処理できるものであるという判示の事実関係の下においては、日々雇用職員として任用することを明示した上で、右職員をカウンター業務に従事させることを予定して任用したことは、違法とはいえない。
二 任命権者が期限付任用に係る非常勤の国家公務員である日々雇用職員を任用予定期間満了後に再び任用しなかったとしても、その権利又は法的利益が侵害されたものと解することはできず、任命権者が、右職員に対して、任用予定期間満了後も任用を続けることを確約ないし保障するなど、右期間満了後も任用が継続されると期待することが無理からぬものとみられる行為をしたというような特別の事情がない限り、国家賠償法に基づく損害賠償責任を認める余地はない。

参照法条

 国家公務員法60条,人事院規則8―12第74条1項3号・2項,国家賠償法1条1項

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