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最高裁判所判例集

事件番号

 平成3(オ)581

事件名

 賃金

裁判年月日

 平成4年7月13日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 破棄差戻

判例集等巻・号・頁

 集民 第165号185頁

原審裁判所名

 札幌高等裁判所

原審事件番号

 昭和63(ネ)134

原審裁判年月日

 平成2年12月25日

判示事項

 一 タクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につきその必要性を肯認することができるとされた事例
二 タクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更と変更内容の合理性

裁判要旨

 一 運賃値上げの認可を機会にされたタクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につき、従前の計算方法は、それが労使間で合意された時点の運賃を前提にしたもので、運賃値上げ後は労使双方で速やかに協議し直すことが予定されていたものであり、また、会社内の甲労働組合との間の協議は不調となったが、乙労働組合との間では新計算方法について合意が成立している等、判示の事情の下では、右変更の必要性を肯認することができる。
二 運賃値上げの認可を機会にされたタクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につき、新計算方法に基づき支給された乗務員の賃金が全体として従前より減少していない場合には、それが従業員の利益をも適正に反映しているものである限り、右変更の内容の合理性を肯認することができる。

参照法条

 労働基準法89条

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