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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和25(れ)1224

事件名

 賍物故買、賍物牙保、賍物寄蔵、窃盗等

裁判年月日

 昭和25年10月31日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集刑 第19号1065頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和25年1月11日

判示事項

 一 従犯の地位にあつた旨の主張と法律上刑の減免の原由たる事実上の主張
二 被告人に対する最終陳述の機会の附与と「別にありません」を「別にあります」とした調書記載の誤記の認定
三 公判調書における弁護人の姓の誤記たることの認定

裁判要旨

 一 論旨は原審認定の被告人の犯行について被告人は原審に於て従記の地位にあつたことを主張しているのであるからこれは旧刑事訴訟第三六〇条第二項に所謂法律上刑の減免の原由たる事実上の主張に当るにも拘らず原判決は何らこれに対する判断を示していないのは判断遺脱の違法があると主張するが、所論の様な陳述があつたとしてもこれをて刑の減免の原由たる事実の主張があつたのとは認められない。
二 原審裁判長は被告人に意見及び最後い述べたいことはないかと問を発していることは所論の通りであるから被告人に対し最終陳述の機会を与えたものと言わなければならない。もしも、裁判長の発した右問に対し被告人が別に陳述する必要があつたなら其機会を与えられたのであるから陳述すべき筈であるに何も陳述した形跡はなく又裁判長が被告人の発言を禁じた形跡もない等に右「別にあります」の調書記載は「別にありません」の誤記と認むるを相当とする。調書の粗雑な点は誠に遺憾であるが何れも誤記と認められる。
三 被告人Aの弁護人選任届其他本件記録を調べて見ると山下弁護人が原審における被告人Aの弁護人であり同人の為め弁論したことは明らかであつて岡田弁護人が被告人Aの弁護人であるとは認められないから所論岡田弁護人とあるは山下弁護人の誤記と認めるを相当とする。

参照法条

 刑法62条,旧刑訴法360条2項,旧刑訴法60条,旧刑訴法74条,旧刑訴法349条3項,旧刑訴法40条17号,旧刑訴法64条

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