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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和44(オ)1162

事件名

 建物収去土地明渡請求

裁判年月日

 昭和45年4月21日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第99号109頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和43(ネ)1642

原審裁判年月日

 昭和44年9月24日

判示事項

 期間経過による買戻権消滅の主張が信義則上許されないとされた事例

裁判要旨

 貸金債権担保のため不動産の買戻約款付売買がなされその買戻期間が経過した場合において、買戻期間内に、買主が売主の債務の弁済の受領をあらかじめ拒否し、債務額をこえる金額の支払の申出を受けながら買戻を応諾しなかつたなど、原判決認定の事実関係(原判決理由参照)があるときは、売主の右申出が弁済の準備を伴わないため適法な提供の効果を生じなかつたとしても、買主は、あらためて買戻に応ずる意思を示し相当の期間を定めて買戻権の行使を催告しないかぎり、期間の経過による買戻権の消滅を理由に、右不動産の所有権を確定的に取得したことを主張することは、信義則上許されない。

参照法条

 民法580条,民法583条,民法1条2項

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