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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和57(行ツ)50

事件名

 不当労働行為救済命令取消

裁判年月日

 昭和62年5月8日

法廷名

 最高裁判所第二小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第151号1頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和55(行コ)101

原審裁判年月日

 昭和57年1月20日

判示事項

 併存する企業内労働組合の一方の組合には組合事務所等を貸与しながら他方の組合に対してその貸与を拒否する使用者の行為が労働組合法七条三号の不当労働行為に当たるとされた事例

裁判要旨

 使用者がその企業内に併存する甲乙二つの労働組合のうち多数派の甲組合に対して組合事務所等を貸与しながら、少数派の乙組合に対しては専従者の職場復帰問題の解決が先決であることなどを理由にその貸与を拒否している場合において、甲組合との間では貸与に際し特段の条件を付したり前提となる取引を行つたりしておらず、右職場復帰問題は組合事務所等の貸与と関連性がなく同時解決を図らなければならない程の緊急性があるともいえないなど判示のような事実関係があるときは、乙組合に対し組合事務所等の貸与を拒否する使用者の行為は、同組合を合理的な理由なく差別するものであり、同組合の組合活動に支障をもたらしその弱体化を図ろうとする意図に基づくものとして、労働組合法七条三号の不当労働行為に当たる。

参照法条

 労働組合法7条3号

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