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最高裁判所判例集

事件番号

 平成4(オ)10

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 平成7年9月5日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第176号563頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 昭和59(ネ)1072

原審裁判年月日

 平成3年9月24日

判示事項

 会社が職制等を通じて特定政党の党員又はその同調者である従業員を監視し孤立させるなどした行為が人格的利益を侵害する不法行為に当たるとされた事例

裁判要旨

 会社が、特定の従業員につき、同人らにおいて現実に企業秩序を破壊し混乱させるおそれがあるとは認められないにもかかわらず、特定政党の党員又はその同調者であることのみを理由として、職制等を通じて、職場の内外で継続的に監視する態勢を採った上、極左分子であるなどとその思想を非難して同人らとの接触、交際をしないよう他の従業員に働き掛け、同人らを職場で孤立させ、その過程の中で、退社後尾行したり、ロッカーを無断で開けて私物の手帳を写真に撮影したりしたなど判示の事実関係の下においては、右一連の行為は、職場における自由な人間関係を形成する自由を不当に侵害するとともに、その名誉を毀損し、プライバシーを侵害するものであって、人格的利益を侵害する不法行為に当たる。

参照法条

 民法709条,憲法19条

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