右メニューへスキップ  メインコンテンツへスキップ(スクリーンリーダーをご利用の方、キーボード操作の方のアクセシビリティ向上のため設置)


メニューを飛ばす


裁判所トップページ > 裁判例情報 > 検索結果一覧表示画面 > 検索結果詳細画面


検索結果詳細画面

検索結果詳細画面

事件番号
 平成23(行ツ)263等
事件名
 懲戒処分取消等請求事件
裁判年月日
 平成24年1月16日
法廷名
 最高裁判所第一小法廷
裁判種別
 判決
結果
 その他
判例集等巻・号・頁
 集民 第239号253頁
原審裁判所名
 東京高等裁判所
原審事件番号
 平成21(行コ)181
原審裁判年月日
 平成23年3月10日
判示事項
 1 公立の高等学校又は養護学校の教職員が卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令に従わなかったことを理由とする戒告処分が,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものとして違法であるとはいえないとされた事例
2 公立養護学校の教職員が卒業式において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に従わなかったことを理由とする減給処分が,裁量権の範囲を超えるものとして違法であるとされた事例
裁判要旨
 1 公立の高等学校又は養護学校の教職員が,卒業式等の式典において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること又は国歌のピアノ伴奏を行うことを命ずる旨の校長の職務命令に従わず起立しなかったこと又は伴奏を拒否したことを理由に,教育委員会から戒告処分を受けた場合において,上記不起立又は伴奏拒否が当該教職員の歴史観ないし世界観等に起因するもので,積極的な妨害等の作為ではなく,物理的に式次第の遂行を妨げるものではなく,当該式典の進行に具体的にどの程度の支障や混乱をもたらしたかの客観的な評価が困難なものであったとしても,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記戒告処分は,同種の行為による懲戒処分等の処分歴の有無等にかかわらず,裁量権の範囲を超え又はこれを濫用するものとして違法であるとはいえない。
(1) 上記職務命令は,学校教育の目標や卒業式等の儀式的行事の意義,在り方等を定めた関係法令等の諸規定の趣旨に沿って,地方公務員の地位の性質及びその職務の公共性を踏まえ,生徒等への配慮を含め,教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであった。
(2) 上記不起立又は伴奏拒否は,当該式典における教職員による職務命令違反として,式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらし,式典に参列する生徒への影響も伴うものであった。
(3) 戒告処分に伴う当該教職員に係る条例及び規則による給与上の不利益は,勤勉手当の1支給期間(半年間)の10%にとどまるものであった。
2 公立養護学校の教職員が,卒業式において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを命ずる旨の校長の職務命令に従わず起立しなかったことを理由に,教育委員会から,過去の懲戒処分の対象と同様の非違行為を再び行った場合には処分を加重するという方針の下に減給処分を受けた場合において,上記職務命令が生徒等への配慮を含め教育上の行事にふさわしい秩序の確保とともに式典の円滑な進行を図るものであり,上記不起立が当該式典における教職員による職務命令違反として式典の秩序や雰囲気を一定程度損なう作用をもたらし式典に参列する生徒への影響も伴うものであったとしても,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,上記減給処分は,減給の期間の長短及び割合の多寡にかかわらず,裁量権の範囲を超えるものとして違法である。
(1) 上記不起立は,当該教職員の歴史観ないし世界観等に起因するもので,積極的な妨害等の作為ではなく,物理的に式次第の遂行を妨げるものではなく,当該式典の進行に具体的にどの程度の支障や混乱をもたらしたかの客観的な評価が困難なものであった。
(2) 処分の加重の理由とされた過去の懲戒処分の対象は,入学式の際の服装等に関する校長の職務命令に違反した行為であって,積極的に式典の進行を妨害する行為ではなく,当該1回のみに限られており,上記不起立の前後における態度において特に処分の加重を根拠付けるべき事情もうかがわれない。
(3) 上記方針の下に,上記教育委員会の通達を踏まえて毎年度2回以上の卒業式や入学式等の式典のたびに不起立又はこれと同様の行為を理由とする懲戒処分が累積して加重されると短期間で反復継続的に不利益が拡大していくこととなる状況にあった。
(1につき補足意見及び反対意見,2につき補足意見及び意見がある。)
参照法条
 (1,2につき)憲法15条2項,地方公務員法29条1項,地方公務員法30条,地方公務員法32条,学校教育法(平成18年法律第80号による改正前のもの)73条,学校教育法(平成19年法律第96号による改正前のもの)18条2号,学校教育法(平成19年法律第96号による改正前のもの)28条3項,学校教育法(平成19年法律第96号による改正前のもの)36条1号,学校教育法(平成19年法律第96号による改正前のもの)42条1号,学校教育法(平成19年法律第96号による改正前のもの)43条,国旗及び国歌に関する法律1条1項,国旗及び国歌に関する法律2条1項,学校教育法施行規則(平成19年文部科学省令第5号による改正前のもの)73条の10,学校教育法施行規則(平成19年文部科学省令第40号による改正前のもの)57条の2,高等学校学習指導要領(平成11年文部省告示第58号。平成21年文部科学省告示第38号による特例の適用前のもの)第4章第2C(1),高等学校学習指導要領(平成11年文部省告示第58号。平成21年文部科学省告示第38号による特例の適用前のもの)第3の3,盲学校,聾学校及び養護学校高等部学習指導要領(平成11年文部省告示第62号。平成19年文部科学省告示第46号による改正前のもの)第4章 (1につき)学校職員の給与に関する条例(昭和31年東京都条例第68号)24条の2第4項,学校職員の勤勉手当に関する規則(昭和54年東京都教育委員会規則第16号。平成18年東京都教育委員会規則第3号による改正前のもの)4条
全文
全文