裁判所トップページ > 裁判例情報 > 検索結果一覧表示画面 > 検索結果詳細画面
検索結果詳細画面
判示事項
1 医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師がその過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為と秘密漏示罪の成否
2 医師が医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた場合の刑法134条1項の「人の秘密」の範囲
3 刑法134条1項の罪の告訴権者
裁判要旨
1 医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた医師が,当該鑑定を行う過程で知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らす行為は,医師がその業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏示するものとして刑法134条1項の秘密漏示罪に該当する。
2 医師が医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定を命じられた場合の刑法134条1項の「人の秘密」には,鑑定対象者本人の秘密のほか,同鑑定を行う過程で知り得た鑑定対象者本人以外の者の秘密も含まれる。
3 医師が医師としての知識,経験に基づく診断を含む医学的判断を内容とする鑑定の過程で知り得た鑑定対象者本人以外の者の秘密を漏示した場合には,その秘密を漏示された者は,刑訴法230条にいう「犯罪により害を被った者」として,告訴権を有する。
(1,2につき補足意見がある。)
参照法条
(1〜3につき)刑法134条1項,(3につき)刑法135条,刑訴法230条