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最高裁判所判例集

事件番号

 平成24(あ)1391

事件名

 業務上過失致死被告事件

裁判年月日

 平成26年7月22日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 決定

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第68巻6号775頁

原審裁判所名

 大阪高等裁判所

原審事件番号

 平成23(う)1518

原審裁判年月日

 平成24年7月17日

判示事項

 国から占用許可を得て市が公園の一部として開放し維持管理していた人工砂浜での埋没事故について,同砂浜を含む海岸の工事,管理に関する事務を担当していた国土交通省職員に同砂浜に関する安全措置を講ずべき業務上の注意義務があったとされた事例

裁判要旨

 国から占用許可を得て兵庫県明石市が公園の一部として開放し維持管理していた人工砂浜において,これに接する突堤に取り付けられた防砂板が破損して砂が海中に吸い出され砂層内に形成された空洞が崩壊し,被害者がこれにより生じた陥没孔に埋没して死亡した事故について,同砂浜は国の直轄工事区域内に存在し,その区域内の海岸保全施設の維持管理を国がしていたこと,国の組織である国土交通省近畿地方整備局姫路工事事務所は明石市と共に同砂浜で過去に続発していた陥没の対策に取り組み始めていたことなどの本件事実関係(判文参照)の下では,同砂浜を含む海岸の工事,管理事務を担当していた同工事事務所工務第一課の課長であった者には,同課自ら又は明石市に要請するなどして安全措置を講じ,陥没等による死傷事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務があった。

参照法条

 刑法(平成18年法律第36号による改正前のもの)211条1項前段

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