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高等裁判所 判例集

事件番号

 昭和39(ネ)330

事件名

 損害賠償請求事件

裁判年月日

 昭和42年5月12日

裁判所名・部

 高松高等裁判所

結果

高裁判例集登載巻・号・頁

 第20巻3号234頁

原審裁判所名

原審事件番号

判示事項

 国道の管理に瑕疵があつたとして国家賠償法第二条を適用した一事例

裁判要旨

 道路(当時一級国道)に面する山地の上方部分か崩壊し、相当量の土砂と共に大小二〇個位の岩石が道路上に落下した際、直径約一米位の岩石が、たまたま該道路を運行していた貨物自動車の運転助手席上部に当り、右助手席に乗つていた者が、その衝撃により即死した場合、従来右事故発生附近の道路上にしばしば落石や崩土があり、通行の危険があつたにもかかわらず、道路管理者において、該道路に防護柵或は防護覆を設置するとか、該道路に面する山地側に金網を張るとか、或は常に山地斜面部分を調査して落下しそうな岩石があるときは、これを除去し、崩土が起るおそれがあるときは、事前に通行止めをするとかなどの措置を採つた形跡のない以上、通行の安全を確保する上において、道路の管理が完全でなく、ために道路として通常備えるべき安全性を欠いていたものであつて、右は、国家賠償法第二条にいわゆる「道路の管理に瑕疵があつたため他人に損害を生じたとき」に該当するものというべきである。

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