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高等裁判所 判例集

事件番号

 平成25(う)1744

事件名

 危険運転致死傷被告事件

裁判年月日

 平成26年3月26日

裁判所名・部

 東京高等裁判所  第1刑事部

結果

 棄却

高裁判例集登載巻・号・頁

 第67巻1号8頁

原審裁判所名

 前橋地方裁判所

原審事件番号

 平成24(わ)561

判示事項

 対面信号機の赤色表示を認識した時点では交差点手前の停止位置で停止できない場合において,刑法208条の2第2項後段にいう赤色信号を「殊更に無視し」に該当するとされた事例

裁判要旨

 大型貨物自動車を運転して信号機により交通整理の行われている丁字路交差点(以下「本件交差点」という。)を直進しようとして,時速約60㎞の速度で本件交差点に進入した場合において,被告人が,本件交差点の出口に設置された横断歩道及び自転車横断帯(以下「本件横断歩道等」という。)から約87.3メートル手前の地点で赤色信号を認識し,同地点で直ちにブレーキをかければ,本件交差点入口の停止線を越えたとしても本件横断歩道等の手前で停止することができ,これによって本件交差点内での事故発生などの危険が生じる可能性はまずなく,かつ本件交差点での衝突事故を回避できる状況にあるにもかかわらず,黄色信号を認識した時点で一旦アクセルから足を離したものの,赤色信号を認識して排気ブレーキを解除し,減速することもなくあえて従前の速度のまま進行したときは,およそ赤色信号に従う意思がなく,赤色信号を殊更に無視したものと評価すべきである。

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