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事件番号
 平成26(う)366
事件名
 傷害致死被告事件
裁判年月日
 平成27年4月16日
裁判所名・部
 名古屋高等裁判所  第2刑事部
結果
 破棄差戻
高裁判例集登載巻・号・頁
 第68巻1号1頁
原審裁判所名
 名古屋地方裁判所
原審事件番号
 平成25(わ)2450
判示事項
 二つの暴行のいずれによって傷害が発生したか認めることができないのに,一方の暴行と死亡との因果関係が認められるから刑法207条を適用する前提が欠けると原判決が判断したのは,同条の解釈適用を誤っており,両暴行の機会の同一性に関する事実の誤認もあるとされた事例
裁判要旨
 1 同一の被害者に対し,被告人A及びBの共謀に基づく暴行(以下「第1暴行」という。)と,両名との共謀関係が認められない被告人Cによる,第1暴行と近接した場所における約40分後の暴行(以下「第2暴行」という。)が加えられ,そのいずれかの暴行ないしそれらが相まって被害者に急性硬膜下血腫が発生し,そのため被害者が死亡したが,第1暴行と第2暴行のいずれによって急性硬膜下血腫が生じたのか特定して認めることはできない事案において,第1暴行によって既に急性硬膜下血腫の傷害が発生していたとしても,第2暴行は,これを更に悪化させたと推認できるから,いずれにしても第2暴行は,被害者死亡の結果との間に因果関係が認められ,刑法207条を適用する前提が欠けることになるとする原判決の判断は,実際に発生した傷害との因果関係について検討しないで,直ちに死亡との因果関係を問題にしている点で,暴行と傷害との因果関係が不明であることを要件とする同条の規定内容に反すると考えられ,このように解した場合,急性硬膜下血腫の傷害の発生について,結局は誰も責任を問われないことになる結果となることを看過したものでもあるから,誤っているといわざるを得ない。
2 第1暴行と第2暴行との間に時間的場所的近接性があることを認めながら,被告人Cは,当時,第1暴行の発端となった被告人Aと被害者との間のトラブルを知らず,被告人Cが第2暴行のような激しい暴行に及ぶことを被告人A及びBが予期できたとは認められないなどの理由を挙げるだけで,両暴行の機会の同一性を否定した原判決の判断は,判文の事実関係にも照らすと,証拠の内容についての理解を誤り,あるいは,証拠から認められる事実関係が機会の同一性の判断に関してどのような位置付けを占めるのかという点に関する評価を誤った結果,論理則,経験則等に照らして不合理で,是認し難い判断に至ったものといわざるを得ない。
全文
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