裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成15(行ウ)7等
- 事件名
第二次納税義務告知処分取消等請求事件(甲事件),損害賠償請求事件(乙事件)
- 裁判年月日
平成17年7月25日
- 裁判所名
金沢地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 国税徴収法39条の第二次納税義務と納税義務者の詐害の意思の要否
2 国税徴収法39条にいう「滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」の意義
3 相続税法34条1項に基づく連帯納付義務を負担するものとされた者から財産の贈与を受けた者に対し,国税徴収法39条に基づく第二次納税義務を負うとしてされた納付通知書による告知処分及び納付催告書による督促処分の取消請求が,前記各処分に違法はないとして棄却された事例
- 裁判要旨
1 国税徴収法39条の第二次納税義務と国税通則法42条が準用する詐害行為取消を比較すると,前者は簡易,迅速に国税の徴収権を実現するために,財産移転等の私法上の効果を否定せず,受益者に対して直接徴税権を行使できることとし,納税義務者の詐害の意思を要件としない代わりに,時期,対象を限定したものと解することができるから,納税義務者の詐害の意思が要件となると解することはできない。
2 国税徴収法39条にいう「滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは,第二次納税義務を負わせるかどうかを判定する時(納付通知書を発する時)の現況において,差押えができる滞納者の財産の見積価額の総額が徴収しようとする国税の額に明らかに不足すると認められる場合をいい,滞納者の財産に滞納処分を執行することを要しない。
3 相続税法34条1項に基づく連帯納付義務を負担するものとされた者から財産の贈与を受けた者に対し,国税徴収法39条に基づく第二次納税義務を負うとしてされた納付通知書による告知処分及び納付催告書による督促処分が,前記贈与は詐害行為又はこれに準ずるものではなく,また,滞納者の財産を差し押さえることなく前記差押えがされた点で違法であるとしてされた前記各処分の取消請求につき,前記贈与の際の詐害の意思は前記各処分をするに当たって要件とならず,また,第二納税義務を負わせるかどうかを判定する時(納付通知書を発する時)の現況において,滞納者の財産の価額が徴収しようとする国税の額に不足することが明らかであるから,滞納者の財産に滞納処分を執行すること要せず,前記各処分に違法はないとして,前記請求を棄却した事例
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