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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行コ)241

事件名

 遺族厚生年金不支給処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成14年(行ウ)第346号)

裁判年月日

 平成17年5月31日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 厚生年金保険法3条2項にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」の意義 2 叔父と近親婚関係にあった姪に対する遺族厚生年金の不支給処分が適法とされた事例

裁判要旨

 1 厚生年金保険法3条2項にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」とは,民法の定める婚姻法秩序を前提とした婚姻関係と同様の事情にあり,公的保護の対象にふさわしい内縁関係にある者をいい,同法は,婚姻法秩序に反する内縁関係にある者を保護する趣旨ではない。 2 死亡した被保険者の姪であり,かつ,内縁関係にあった者に対する遺族厚生年金の不支給処分につき,前記内縁関係は,民法734条1項の禁止する近親婚に当たるところ,遺族厚生年金制度は受給権者が保険料を拠出しておらず,給付と保険料との対価的牽連性は間接的であるから,社会保障的性格の強いものであるといえ,厚生年金保険法は,民法の定める婚姻法秩序を前提とした婚姻関係と同様の事情にある者を遺族厚生年金の受給権者として保護する趣旨であって,婚姻法秩序に反する内縁関係にある者をも保護する趣旨ではないと解するのが相当であり,前記内縁関係にあった者は,同法3条2項にいう「婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者」に当たらないとして,前記不支給処分を適法とした事例

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