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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成14(行ウ)145

事件名

 業務停止処分取消等請求事件

裁判年月日

 平成17年5月27日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 指定確認検査機関に対し,確認検査員が実地に行うべき検査業務を補助員に単独で行わせていたなどとして地方整備局長がした業務停止処分及び監督命令処分の各取消し請求が,棄却された事例 2 指定確認検査機関が,行政手続法4条3項にいう「行政庁が法律の規定に基づく試験,検査,検定,登録その他の行政上の事務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合において,その指定を受けた者(その者が法人である場合にあっては,その役員)又は職員その他の者が当該事務に従事することに関し公務に従事する職員とみなされるとき」に該当するとされた事例

裁判要旨

 1 指定確認検査機関に対し,確認検査員が実地に行うべき検査業務を補助員に単独で行わせていたなどとして地方整備局長がした業務停止処分及び監督命令処分の各取消し請求につき,建築行政の執行体制の強化を図る観点から,行政上の事務としての性質を有する確認検査事務を指定確認検査機関がその業務として行うことができるとするとともに,建築基準適合判定資格者である確認検査員をして確認検査を実施させること等により,当該業務の実施に必要な審査能力の確保を図るとともに,指定確認検査機関及びその職員で確認検査の業務に従事する者を罰則の適用について公務員とみなすこと等により,指定確認検査機関の組織構成としての中立性及び業務運営の在り方としての公平性を制度上担保している建築基準法の規制及びその趣旨からすれば,同法77条の24第1項は,確認検査は確認検査員に限って実施できるとする趣旨と解され,確認検査員が確認検査を実施するに当たり確認検査員以外の補助員を使用すること自体は同法も許容しているとしても,補助員の関与の程度,態様は補助的なものに限られ,当該確認検査を全体として評価すれば確認検査員が自らこれを行ったものと同視し得るような実体を備えたものでなければならないとした上で,中間検査又は完了検査においては,実地検査こそがその本質的内容を成すものであって,同項及び建築基準法に基づく指定資格検定機関等に関する省令(平成11年建設省令第13号,平成14年国土交通省令第120号による改正前)23条1項3号ハは,完了検査又は中間検査の方法として,確認検査員が自ら実地に行うことを予定しているのにもかかわらず,前記指定確認検査機関においては,完了検査に係る実地検査を補助員が単独で行っており,確認検査員が自ら実地調査を行ったと同視し得るような特段の事情も認められないから,同法77条の24第1項に違反するとして,前記請求をいずれも棄却した事例 2 指定確認検査機関は,建築基準法に基づき行政上の事務の性質を有する確認検査事務をその業務として行うことについて国土交通大臣若しくはその委任を受けた者又は都道府県知事の指定を受けた者であって,かつ,同法により指定確認検査機関及びその職員で確認検査の業務に従事するものは刑法その他の罰則の適用については法令により公務に従事する職員とみなされるのであるから,同検査機関は行政手続法4条3項にいう「行政庁が法律の規定に基づく試験,検査,検定,登録その他の行政上の事務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合において,その指定を受けた者(その者が法人である場合にあっては,その役員)又は職員その他の者が当該事務に従事することに関し公務に従事する職員とみなされるとき」に該当するとした事例

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