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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成12(行ウ)5

事件名

 贈与税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成16年8月27日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 贈与を受けた取引相場のない有限会社に対する出資持分の価額を財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達(平成7年6月27日付け課評2−6による改正前))188−2に定める配当還元方式によらず,純資産価額方式により評価してした贈与税更正処分が,一部取り消された事例

裁判要旨

 贈与を受けた取引相場のない有限会社に対する出資持分の価額を財産評価基本通達(昭和39年4月25日付け直資56,直審(資)17国税庁長官通達(平成7年6月27日付け課評2−6による改正前))188−2に定める配当還元方式によらず,純資産価額方式により評価してした贈与税更正処分につき,前記出資にあたっては,もっぱら出資持分の評価額を低廉なものとする目的で同通達188−2に定める配当還元方式を適用し得るようにするための方策として1対99の割合をもって資本金と資本準備金への振り分けをしたものであって,同通達どおりの評価をすることは実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかであって,前記評価方法によらないことが正当と是認される特別の事情があるから,他の合理的な評価方法により評価すべきであるが,純資産価額方式は,当該出資者は当該有限会社を支配しているとはいえない場合であって,妥当性を有しないから採用することはできず,前記出資持分の評価につき同通達188−2の適用を否定した理由は,前記出資の1対99の割合の資本金と資本準備金への振り分けにあり,配当還元方式による評価の考え方そのものは合理的なものであるから,その考え方を参酌して評価することが客観的な交換価値の把握として相当であり,前記出資に係る払込金額全額を資本金に当たるとした上で,配当還元方式の考え方に準じて評価をすることが相当であるとして,前記更正処分を一部取り消した事例

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