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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成15(行コ)15

事件名

 納税告知処分及び重加算税賦課処分取消請求控訴事件(原審・青森地方裁判所平成12年(行ウ)第3号)

裁判年月日

 平成16年3月12日

裁判所名

 仙台高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 社会福祉法人の元代表者が同法人の資金から引き出して経済的利益を享受した場合において,同利益が元代表者の給与所得に当たるとして同法人に対してされた源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び重加算税の賦課決定処分が,いずれも適法とされた事例

裁判要旨

 社会福祉法人の元代表者が同法人の資金から引き出して経済的利益を享受した場合において,同利益が元代表者の給与所得に当たるとして同法人に対してされた源泉徴収に係る所得税の納税告知処分及び重加算税の賦課決定処分につき,法人代表者が法人経営の実権を掌握し法人を実質的に支配している場合において,法人代表者が自己の権限を濫用して当該法人の事業活動を通じて得た利得は,給与支出の外形を有しない利得であっても,法人の資産から支出をし,その支出を利得,費消したと認められる場合には,その支出が当該法人代表者の立場と全く無関係であり,法人からみて純然たる第三者との取引ともいうべき態様によるものであるなどの特段の事情がない限り,実質的に,法人代表者がその地位及び権限に対して受けた給与であると推認することが許されるとした上,前記代表者が前記法人から享受した経済的利益は,同人が代表者たる地位及び権限を濫用して配偶者のために取得したものであるが,同人が同法人の理事長として実質的に有した権限に基づいてした役務に対し,ないし理事長として実質的に有した地位に基づいて支給されたもの,すなわち給与であると推認することが許されると解されるとして,前記各処分をいずれも適法とした事例

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