裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成9(行ウ)8

事件名

 損害賠償請求事件(住民訴訟)

裁判年月日

 平成13年4月27日

裁判所名

 松山地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 村が観音像を設置するために公金を支出したことが憲法20条3項の政教分離原則に違反するなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,元村長ら個人に対してされた損害賠償請求が,認容された事例

裁判要旨

 村が観音像を設置するために公金を支出したことが憲法20条3項の政教分離原則に違反するなどとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前)242条の2第1項4号に基づき,元村長ら個人に対してされた損害賠償請求につき,当該観音像は伝統的な観音菩薩像の様式に従って造られたものであり,観音信仰は仏教に基づく信仰で現世利益等をもたらす力を持った観音菩薩という特定の信仰内容を有するから,同村が前記観音像を設置したことは,その目的が宗教的意義を持つことを免れず,また,隣接する施設に観音の利益に関する説話等を題材にした和紙人形が展示されていること等を総合すると,一般人に対して村が特別に観音信仰を支持,承認しているとの印象を与え特定の宗教への関心を呼び起こすものといわざるを得ず,これによってもたらされる同村と観音信仰とのかかわり合いは,我が国の社会的,文化的諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものであるから,前記公金の支出は,憲法20条3項の禁止する宗教的活動を行うためにしたものとして違法というべきであるとして,前記請求を認容した事例

全文