裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成11(行ウ)18
- 事件名
相続税更正処分等取消請求事件
- 裁判年月日
平成12年11月17日
- 裁判所名
京都地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
相続により株式を取得した者が,当該株式を公益法人に贈与したとして,租税特別措置法(平成8年法律第17号による改正前)70条1項に基づき,当該株式の価額を相続税の課税価格の計算の基礎に算入せずにした相続税の申告に対し,税務署長が,前記株式については,贈与の日から2年を経過した日まで配当がなかったことから,同条2項の「公益を目的とする事業の用に供していない場合」に該当するとして,同株式の価額を課税価格の計算の基礎に算入してした更正が,違法とされた事例
- 裁判要旨
相続により株式を取得した者が,当該株式を公益法人に贈与したとして,租税特別措置法(平成8年法律第17号による改正前)70条1項に基づき,当該株式の価額を相続税の課税価格の計算の基礎に算入せずにした相続税の申告に対し,税務署長が,前記株式については,贈与の日から2年を経過した日まで配当がなかったことから,同条2項の「公益を目的とする事業の用に供していない場合」に該当するとして,同株式の価額を課税価格の計算の基礎に算入してした更正につき,同条1項の趣旨が,公益目的の事業を営む法人に対し相続や遺贈で取得した財産を寄付する者には,政策的に相続税を軽減することにあることに照らすと,当該財産の完全な支配の移転があった場合には,原則として,同条2項所定の「公益を目的とする事業の用に供していない」との要件は問題とならず,同要件は同条1項を利用した相続税回避行為が行われたような場合を意味するものと解するのが相当であるから,前記配当がなかったというだけでは同条2項の要件を充たさないとして,前記更正を違法とした事例
- 全文