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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成7(行ウ)266

事件名

 所得税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成12年7月13日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 取引相場のない株式の価額を所得税基本通達23〜35共−9に定める類似法人比準方式によって評価した所得税の更正が,前記方式の適用は標本会社の決定方式につき考慮を欠いているため相当でないが,法人税基本通達に準じて,財産評価基本通達179の例によって評価を行った結果が前記更正と結論において異ならないとして,適法とされた事例

裁判要旨

 取引相場のない株式の価額を所得税基本通達23〜35共−9に定める類似法人比準方式によって評価した所得税の更正について,前記方式の適用は標本会社の決定方式おいて事業の規模や収益の状況等が類似するか否かにつき考慮を欠いているため相当でないが,法人税基本通達9−1−15が,財産評価基本通達178ないし189−6までの例によって取引相場のない株式の評価を行うことを認めているのは,法人税基本通達9−1−14に定められている方法だけでは算定に困難を伴うことが多いという事情があること,財産評価基本通達の定めが取引相場のない株式の交換価値の評価法として一般的に合理性を有するものであり,相続税課税と法人税課税との違いによる特別の事情がない限り,財産評価基本通達によっても十分適正な時価を求めることができると考えることによるものであるから,前記理は所得税に関しても同様にあてはまることなどから,所得税課税において,取引相場のない株式の評価をする場合についても,当該株式につき売買実例がなく,かつ,類似法人比重方式によることができない場合には,法人税基本通達178から189−6までの例によって評価すべきであり,大会社の場合には,財産評価基本通達179の(1)により,類似業種批准方式による評価と純資産価額方式による評価(但し,法人税相当額を控除しない方式)との選択が認められるところ,前記各方式により算定される価額のいずれか低い方をもって株式の時価とした場合の納付税額は,前記更正による納付税額と一致するとして,適法とした事例

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