裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成3(行ウ)1
- 事件名
大分県に代位して行う損害賠償請求,同共同訴訟参加事件
- 裁判年月日
平成6年6月30日
- 裁判所名
大分地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
県知事が今上天皇即位の礼に伴う主基斎田抜穂の儀に参列した職員等に対する日当等の支給に係る支出命令をしたことが違憲,違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,県知事個人に対してされた損害賠償請求が棄却された事例
- 裁判要旨
県知事が今上天皇即位の礼に伴う主基斎田抜穂の儀に参列した職員等に対する日当等の支給に係る支出命令をしたことが憲法20条3項に違反し,違憲,違法であるとして,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,県知事個人に対してされた損害賠償請求につき,普通地方公共団体の長等の公務員が宗教的儀式に参列する行為は,当該宗教的儀式がその公務員の公的地位に伴う社会儀礼的なものであり,憲法20条3項により禁止される宗教的活動に当たらないものである場合には,前記行為は普通地方公共団体の事務に当然含まれ,公務に該当するものと解するのが相当であるとした上,前記職員等が主基斎田抜穂の儀に参列するなどしたのは,皇位継承儀式の関係儀式に際し,今上天皇に祝意を表するという専ら世俗的なものであり,その効果も,特定の宗教を援助,助長,促進又は圧迫,干渉を加えるものではなく,宗教との関わり合いの程度が我が国の社会的,文化的諸条件に照らし,信教の自由の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものではないことからすると,前記宗教的活動に当たらず,かつ,前記職員等の公的地位に伴う社会儀礼的なものであって,公務に該当するから,前記支出命令が違法であるということはできないとして,前記損害賠償請求が棄却された事例
- 全文