裁判例検索

裁判例結果詳細

行政事件 裁判例集

事件番号

 平成2(行ウ)120

事件名

 法人税更正処分取消請求事件

裁判年月日

 平成5年3月26日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 法人税法132条1項所定の行為計算の否認を理由に法人税青色申告を更正する場合に必要とされる理由付記の程度 2 法人税青色申告についてした更正が,付記理由の不備のため同理由に係る部分の限度で違法であるとされた事例

裁判要旨

 1 法人税法132条1項所定の行為計算の否認を理由に法人税青色申告を更正する場合,帳簿の記載以上に信ぴょう力のある資料を摘示することまでは不要であるが,単に更正に係る勘定科目とその金額を示すだけでは十分でなく,更正処分庁の恣意抑制及び不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨にかなう程度に更正の根拠を具体的に説明することを要する。 2 代表取締役の子女を取締役として登記していた法人が同子女に支払った役員報酬を損金に算入してした青色申告に対し,同役員報酬は実質的に代表取締役に対する報酬に当たるとしてした更正につき,当該付記理由は,当該役員報酬の私法上の受給者が代表取締役であるとする趣旨か,法人税法132条1項所定の行為計算を否認する趣旨であるか判然としないが,帳簿の記載以上に信ぴょう力のある資料の摘示も当該判断に至った過程の具体的説明もないから,その趣旨を前記いずれに解するとしても,理由付記制度の趣旨に照らして不十分なものであるとして,同理由に係る部分の限度で前記更正を違法であるとした事例

全文