裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
昭和63(行ウ)191
- 事件名
源泉所得税納税告知処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成4年10月27日
- 裁判所名
東京地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
1 特許紛争に係る和解契約に基づき米国法人に支払った金員が国内源泉所得に該当するとしてした源泉所得税の納税告知の取消しを求める訴えにつき,同納税告知中税率の特例の適用があるとして還付された金額に係る部分については,その取消しを求める訴えの利益を欠くとして,却下した事例 2 特許紛争に係る和解契約に基づき米国法人に支払った金員が国内源泉所得に該当するとしてした源泉所得税の納税告知の取消請求が,一部認容された事例
- 裁判要旨
1 特許紛争に係る和解契約に基づき米国法人に支払った金員が所得税法161条7号イ所定の国内源泉所得に該当するとしてした源泉所得税の納税告知の取消しを求める訴えにつき,納税告知に対する抗告訴訟においてその違法事由として納税義務の存否又は範囲に関する事由が主張される場合には,支払者が不服とする納税義務の存在又は範囲について,これに係る税額の徴収を受けることを防止するなどの点にその訴えの利益が認められるところ,租税条約の実施に伴う所得税法,法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和62年法律第96号による改正前)3条1項,所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約(昭和47年条約第6号)14条・の適用によって減縮された後の税額を控除した金額は還付されたものであるから,当該納税告知中前記金額に係る部分については,その取消しを求める訴えの利益を欠くとして,却下した事例 2 特許紛争に係る和解契約に基づき米国法人に支払った金員が所得税法161条7号イ所定の国内源泉所得に該当するとしてした源泉所得税の納税告知の取消請求が,前記契約の趣旨は,米国法人との間で発生した米国特許権に関する紛争について,米国法人が当該特許権の過去及び将来の侵害の差止め並びに同侵害による損害賠償を求める争訟を提起しないことを約し,米国法人に対しては当該特許権の過去及び将来の使用についての対価を支払うことを約することによって当該紛争を解決するというところにあり,前記金員は所得税法161条7号イ所定の国内源泉所得に当たる使用料とはいえないとして,還付された金額に係る部分を除いて認容された事例
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