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事件番号
 昭和62(行コ)4
事件名
 損害賠償代位請求控訴,同附帯控訴事件
裁判年月日
 平成3年1月10日
裁判所名
 仙台高等裁判所
分野
 行政
判示事項
 1 県議会のした国の代表及び国賓による靖国神社公式参拝が実現されるよう強く要望するとの趣旨の決議は違憲,違法であり,かかる決議事項を内容とする意見書等の印刷費並びに同意見書等を内閣総理大臣,総理府総務長官及び衆,参両議院議長等に提出するための旅費の支出が違法な公金の支出に当たるとして提起された県議会議長及び議員各個人に対する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく住民訴訟につき,県議会議長及び議員は,地方自治法上の用語例に照らし,同号前段の「当該職員」に該当せず,また,同法上独自に財務会計上の行為をし得る権限を有しないのみならず,「一般職の職員等の旅費に関する条例」(昭和28年岩手県条例第14号),「特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例」(昭和27年同県条例第7号),「会計規則」(昭和39年同県規則第15号),「岩手県議会事務局代決専決規程」(昭和44年同県議会訓令第4号)上も前記印刷費及び旅費の支出について権限を有しないから,同法242条の2第1項4号前段の「当該職員」に該当しないとして,被告適格を有しないとした事例 2 天皇及び内閣総理大臣の靖国神社公式参拝は,その目的が宗教的意義をもち,その行為の態様からみて国又はその機関として特定の宗教への関心を呼び起こす行為というべきであり,しかも,公的資格においてされる公式参拝がもたらす直接的,顕在的な影響及び将来予想される間接的,潜在的な動向を総合考慮すれば,前記公式参拝における国と宗教法人靖国神社との宗教上のかかわり合いは,憲法の政教分離原則に照らし,相当とされる限度を超えるものであり,憲法20条3項が禁止する宗教的活動に該当する違憲な行為であるとして,前記公式参拝が実現されるよう要望する旨の県議会の議決は違法であるとした事例 3 県議会のした国の代表及び国賓による靖国神社公式参拝が実現されるよう強く要望するとの趣旨の決議が違憲無効であることを前提として,同決議を可決して県に同決議事項を内容とする意見書等の印刷費並びに同意見書等を内閣総理大臣,総理府総務長官及び衆,参両議院議長等に提出するための旅費の支出による損害を被らせたこと及び法律上の原因なく前記旅費の支給を受けたことを理由として提起された地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく議員個人に対する損害賠償請求及び県議会議長に対する不当利得返還請求につき,議員の発言又は表決は,地方自治法99条2項所定の地方議会の議決がその後の司法判断により違法とされても,その議決当時,前記発言又は表決の対象となった議決の内容に関する法的解釈が分かれている状況にあった場合には,前記発言又は表決が憲法及び法令の遵守義務を負う議員としての見識に基づき,かつ,相当の根拠と合理性を有する法解釈に依拠している限り,違法と評価されるべきではなく,また,議長は,議決の違憲性又は違法性が一見明白でない限り,議決に従って職務を行うべきであるから,職務上の行為としてした意見書等の印刷及び意見書等の提出のための出張は,違法とはいえず,その行為のため支出された費用を取得しても不当利得とはならないとして,いずれも棄却した事例 4 県が靖国神社に対し3回にわたり玉ぐし料及び献燈料として献納した合計2万1000円の公金の支出が違憲,違法であるとして提起された県知事及び県福祉部厚生援護課長並びに県福祉部長各個人に対する地方自治法242条の2第1項4号に基づく住民訴訟につき,同支出に係る公金の支出負担行為及び支出命令は,「岩手県知事部局行政組織規則」(昭和37年岩手県規則第11号)7条2項15号,「岩手県知事部局代決専決規程」(昭和37年同県訓令第4号)2条,7条21号,23号により県福祉部厚生援護課長が専決している場合に,知事は,同支出を行う権限を法令上本来的に有するとされている者であるから,その支出について現実に関与していないときであっても,同法242条の2第1項4号前段にいう「当該職員」に該当し,また,前記課長は,内部規程上の専決者として,知事の有する権限を自らの決裁により補助執行すべき立場にあるから,前記「当該職員」に該当するが,前記部長は,財務会計上の行為をする何らの権限も有しないとして,知事及び前記課長の被告適格を肯定し,前記部長の被告適格を否定した事例 5 「岩手県知事部局行政組織規則」(昭和37年岩手県規則第11号)21条2項4号,「岩手県知事部局代決専決規程」(昭和37年同県訓令第4号)に基づき県が靖国神社に対し3回にわたり玉ぐし料及び献燈料として献納した合計2万1000円の公金の支出負担行為及び支出命令を専決した県福祉部厚生援護課長個人に対する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求につき,公務員等の懲戒免除等に関する法律3条,5条の規定に基づく「昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例」(平成元年岩手県条例第4号)3条の適用により,訴えが不適法となることはないが,将来に向かって損害賠償債務が免除されたことになるとして,請求を棄却した事例 6 県が靖国神社に対し3回にわたり玉ぐし料及び献燈料として献納した合計2万1000円の公金の支出が,特定の宗教団体である靖国神社への関心を呼び起こし,かつ,その宗教活動を援助するものと認められるから,政教分離の原則から要請される県の非宗教性ないし中立性を損なうおそれがあり,同支出によって生じる県と同神社とのかかわり合いは,その波及的効果と諸般の事情を考慮すると,相当とされる限度を超えるものであるとして,同支出は,憲法20条3項の禁止する宗教的活動に当たり,違憲,違法であるとした事例 7 県が靖国神社に対し3回にわたり玉ぐし料及び献燈料として献納した合計2万1000円の公金の支出が違憲,違法であるとして提起された県知事個人に対する地方自治法242条の2第1項4号前段に基づく損害賠償請求が,同支出に係る公金の支出負担行為及び支出命令は,「岩手県知事部局行政組織規則」(昭和37年岩手県規則第11号)21条2項4号,「岩手県知事部局代決専決規程」(昭和37年同県訓令第4号)により県福祉部援護課長が専決しており,知事の責任は専決者である同課長に対する財務会計上の指揮監督について義務違反がある場合に限るものと解すべきであるとした上,知事にはその支出について指揮監督上の故意又は過失が認められないとして,棄却された事例 8 県が靖国神社に対し3回にわたり玉ぐし料及び献燈料として献納した合計2万1000円の公金の支出が違憲,違法であるとして提起された県知事及び県福祉部長各個人に対する地方自治法242条の2第1項4号後段に基づく損害賠償請求が,同支出に係る公金の支出負担行為及び支出命令は,「岩手県知事部局行政組織規則」(昭和37年岩手県規則第11号)21条2項4号,「岩手県知事部局代決専決規程」(昭和37年同県訓令第4号)により県福祉部厚生援護課長が専決しており,前記請求は専決者である同課長に対する前記知事及び前記部長の一般行政上の指揮監督義務を前提とするものと解されるところ,前記両名に前記義務違反があったとは認められないとして,棄却された事例
裁判要旨
全文
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