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行政事件 裁判例集

事件番号

 昭和45(行コ)19

事件名

 法人税審査決定取消等請求控訴事件

裁判年月日

 昭和48年3月14日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 同族会社が,その取締役会長と特殊な関係のある株主から大量の株式を市価の1.55倍に相当する価格で買い受けた場合において,旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前)31条の3第1項を適用し,右会社の行為計算を否認して,原更正決定を維持した審査決定が,右取引きは経済人の行為として不合理,不自然なものとは認められず,これにより,法人税の負担を不当に減少させる結果になるとは認められないから,違法であるとされた事例 2 株主名簿の名義書換えを受けていない株式譲受人は,旧法人税法7条の2第1項にいう「株主」に当たるか 3 旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前)31条の3第1項にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる」かどうかの判定基準 4 昭和25年法律第72号による改正後の旧法人税法の審査手続において,原処分あるいは審査請求の理由と異なる理由によって審査請求を棄却することができるか

裁判要旨

 2 株式を譲り受けて名義書換手続を了していない者であっても,株主名簿上の形式的な株主と特殊な間柄にある等の事情によって,形式的な株主名で実質的に右株式の議決権を行使することができる場合には,旧法人税法7条の2第1項にいう「株主」に当たる。 3 旧法人税法(昭和37年法律第67号による改正前)31条の3第1項にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる」かどうかは,もっぱら経済的,実質的見地において当該行為計算が経済人の行為として不合理,不自然なものと認められるかどうかを基準として判定すべきである。 4 昭和25年法律第72号による改正後の旧法人税法の審査手続においては,原処分あるいは審査請求の理由と異なる理由によって審査請求を棄却することができる。

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