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行政事件 裁判例集

事件番号

 昭和36(行)72

事件名

 相続税審査決定取消等請求事件

裁判年月日

 昭和45年3月4日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 未分割遺産につき法定相続分に従って相続税の申告ないし修正申告がされたのちに右相続分に従わない遺産分割があった場合,これを基礎としてされた更正の請求または修正申告および更正の意義 2 未分割遺産につき法定相続分に従って相続税が申告されたのちに右相続分に従わない遺産分割がされ,これを基礎として申告額を減額する更正処分がされた場合,右更正にかかる額が分割により現実に取得した財産を基礎とした額を上回ることを理由にこれを争うことができるか

裁判要旨

 1 未分割遺産につき法定相続分に従って相続税の申告ないし修正申告がされたのちに右相続分に従わない遺産分割があった場合,これを基礎としてされた更正の請求または修正申告は,その実質は分割により取得した財産を基礎として算出した課税価格および相続税額の申告そのものであり,また更正は,その実質は右により算出した課税価格および相続税額を確定するものである。 2 未分割遺産につき法定相続分に従って相続税が申告されたのちに右相続分に従わない遺産分割がされ,これを基礎として申告額を減額する更正処分がされた場合,右処分が納税義務者にとって不利益か否かは,右更正にかかる額が,遺産分割により現実に取得した財産を基礎として算出した課税価格および相続税額を上回るか否かによるというべきであり,これを上回るかぎりは,更正にかかる額が当初の申告額を減額したものであっても,右更正処分は納税義務者にとって不利益な処分であり,それにつき再調査請求(不服申立て)をして争うことができる。

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