裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成16(行コ)48
- 事件名
申告所得税更正処分取消等各請求控訴事件(原審・名古屋地方裁判所平成15年(行ウ)第26号ないし31号)
- 裁判年月日
平成17年10月27日
- 裁判所名
名古屋高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
航空機リース事業を目的とする組合契約を締結し,同事業による所得を不動産所得として,その減価償却費等を必要経費に算入した上で所得税の確定申告を行った者らに対し,同契約は民法上の組合契約ではなく,実質的には利益配当契約であり,これによる所得は雑所得であるから損益通算は許されないとして税務署長がした更正処分等の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
航空機リース事業を目的とする組合契約を締結し,同事業による所得を不動産所得として,その減価償却費等を必要経費に算入した上で所得税の確定申告を行った者らに対し,同契約は民法上の組合契約ではなく,実質的には利益配当契約であり,これによる所得は雑所得であるから損益通算は許されないとして税務署長がした更正処分等の取消請求につき,一定の経済的目的を達成するための法的手段,形式の選択において,特段の合理的理由がないのに,通常は用いられることのない法的手段,形式を選択することによって,所期の経済的効果を達成しつつ,通常用いられる法律行為に対応する課税要件の充足を免れ,税負担を減少させあるいは排除する場合には,租税回避行為としてその有効性が問題となり得るとした上,前記組合契約の内容に照らせば,前記事業が経済的合理性を欠き,これを達成する上で,民法上の組合契約の法形式が通常用いられないものであるとはいえず,同契約の内容自体も,民法上の組合契約の成立要件を充足していることからすれば,同契約を利益配当契約と認めることはできず,前記事業による所得も,不動産所得に区分されるべきものであって,雑所得に当たるとはいえないとして,前記請求を認容した事例
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