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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成16(行ウ)438

事件名

 特別土地保有税非課税土地非該当認定処分取消請求事件

裁判年月日

 平成18年3月3日

裁判所名

 東京地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 信託によって所有権が受託者に移転した土地につき,委託者が,地方税法601条1項に基づいてした特別土地保有税の非課税土地認定申請について,委託者の所有する土地に該当しないとしてされた拒否処分が,適法とされた事例

裁判要旨

 信託によって所有権が受託者に移転した土地につき,委託者が,地方税法601条1項に基づいてした特別土地保有税の非課税土地認定申請について,委託者の所有する土地に該当しないとしてされた拒否処分につき,同法は,信託財産についても,信託前においては信託の委託者が,信託後においては信託の受託者が,それぞれ当該土地の「所有者」として,土地に対して課する特別土地保有税の納税義務を負担することを原則としているものと解され,同法は所有権を移転するという信託の法的性質に即して,信託の前後における「所有者」を明確に区別しているのであるから,「委託者を本来の所有者とみる考え方」や「委託者と受託者を一体的にみる考え方」が一般的に採用されているとは言えず,また,これらの考え方を,特別土地保有税の納税義務を免除する場面で当然に適用すべきであると解することも困難であり,むしろ,信託財産である土地について個々の場面に応じて特例を設けるかどうか定めるのが同法の趣旨と解されるところ,同法601条の納税義務の免除に関しては,その要件である「所有する土地」という用語の意義について,政令への委任を含め何らの特別の規定も置いていない以上,同項の適用に関しては,所有権の形式的な帰属に基づいて判断するのが法解釈としては素直であるとした上,前記信託の委託者にとって,前記土地は,同条1項にいう「その所有する土地」に該当しないとして,前記処分を適法とした事例

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