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事件番号
 平成18(行コ)249
事件名
 所得税更正処分の一部取消請求控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成17年(行ウ)第55号)
裁判年月日
 平成18年12月27日
裁判所名
 東京高等裁判所
分野
 行政
判示事項
 1 申告額を誤ったとして,更正の請求をすることなく提起された,増額更正処分のうち申告額以下の部分の取消しを求める訴えが,不適法とされた事例 
2 破産宣告を受けた株式会社の株式の譲渡により,株式等に係る譲渡所得の金額の計算上損失が生じたとして所得税の申告をした者が提起した,前記損失を否認してされた増額更正処分の取消請求が,棄却された事例
裁判要旨
 1 申告額を誤ったとして,更正の請求をすることなく提起された,増額更正処分のうち申告額以下の部分の取消しを求める訴えにつき,納税義務者が確定申告をした後に増額更正処分がされた場合であっても,それによって納税義務者が申告を行ったという事実が消滅するわけではなく,申告によって生じた効果は前記増額更正処分の中に吸収されて引き継がれ,引き続き存続すると解するのが相当であるところ,申告納税制度の下において,納税義務者は,申告の無効を主張することができる例外的な場合を除けば,更正の請求手続によってのみその申告の誤りを是正することができるのであって,その手続を経ることなく,申告額を超えない部分の取消しを求めることは許されないから,前記取消しを求める訴えの利益はないとして,前記訴えを不適法とした事例 
2 破産宣告を受けた株式会社の株式の譲渡により,株式等に係る譲渡所得の金額の計算上損失が生じたとして所得税の申告をした者が提起した,前記損失を否認してされた増額更正処分の取消請求につき,譲渡所得の基因となる財産は,一般的にその経済的価値が認められて取引の対象とされ,キャピタル・ゲイン又はキャピタル・ロスを生ずるような性質の資産をいうところ,破産宣告を受けた株式会社の株主が,利益配当,残余財産分配等を受けることを目的とする自益権及び株式会社の意思決定に参画することを目的とする共益権を現実に行使しうる余地は一般的にはなくなるから,破産宣告を受けた株式会社の株式は,その後同社が再建される蓋然性があるなど特段の事情が認められない限り,自益権や共益権を基礎とする株式としての経済的価値を喪失し,もはや,キャピタル・ゲイン又はキャピタル・ロスを生ずるような性質を有する譲渡所得の基因となる資産ではなくなるといわざるを得ないとした上,前記譲渡の当時,再建される蓋然性があるなどの特段の事情を認めることができない前記株式会社の株式は,同時点において,既に自益権や共益権を基礎とする株式としての経済的価値が失われ,譲渡所得の基因となる資産ではなくなっているから,前記譲渡による損失が,株式等に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失と認められないとして行われた前記更正処分に違法はないとして,前記請求を棄却した事例
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