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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成17(行ウ)44

事件名

 公文書非公開決定取消請求事件

裁判年月日

 平成18年10月10日

裁判所名

 千葉地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 県立高等学校の敷地の貸主である個人の住所,氏名,賃借料の有無及び金額の情報が,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」に当たるとされた事例 
2 県立高等学校の学校内及びPTAの会合で,生徒教員及び保護者を対象として実施された講演の講師名及び職名等の情報が,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」に当たるとされた事例 
3 県立高等学校での開催が予定されていた,地域住民が参加する集会における講演の講師名の情報が,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号ただし書ロが非公開事由の除外事由として規定する「実施機関が作成し,又は収受した情報で,公表を目的としているもの」に当たるとされた事例

裁判要旨

 1 県立高等学校の敷地の貸主である個人の住所,氏名,賃借料の有無及び金額の情報につき,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号の「個人に関する情報」から除外される「事業を営む個人の当該事業に関する情報」とは,特定の目的をもって反復的,継続的に営む個人の活動に関する情報と解するのが相当であるとした上,前記貸主である個人は,高等学校という特定の相手方と敷地の貸借について1回的な契約を締結したにすぎず,敷地の貸借を反復的,継続的に営む者ではないから,前記情報は「事業を営む個人の当該事業に関する情報」とは言えず,前記条例11条2号所定の「個人に関する情報」に当たるとした事例 
2 県立高等学校の学校内及びPTAの会合で,生徒教員及び保護者を対象として実施された講演の講師名及び職名等の情報につき,同情報は,当該講師個人の社会活動に関するものであり,講演の性質等に照らせば,当該講演の講師はその所属する大学等のためにその職務として講演を行ったものではないから,当該講師が公務員であっても公務員の職務遂行に関する情報とは言えず,また,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号所定の「個人に関する情報」から除外される「事業を営む個人の当該事業に関する情報」とは,特定の目的をもって反復的,継続的に営む個人の活動に関する情報と解するのが相当であるところ,当該講師は,ある特定の学校や団体等から依頼を受けて講演を行ったにすぎず,特定の目的をもって,反復的,継続的に講演を営む者ということもできないから,「事業を営む個人の当該事業に関する情報」とも言えず,前記条例11条2号所定の「個人に関する情報」に当たるとした事例 
3 県立高等学校での開催が予定されていた,地域住民が参加する集会における講演の講師名の情報につき,同情報は,特定個人が識別され,又は識別されるものであるが,前記集会は多くの地域住民の参加についてのPR方法が検討され,不特定多数の者が参加することが予定されていたものであるから,同情報は,その内容が不特定多数の者に知られ得る状態にあるものといえ,千葉県公文書公開条例(昭和63年千葉県条例第3号,平成12年千葉県条例第65号により廃止)11条2号ただし書ロが非公開事由の除外事由として規定する「実施機関が作成し,又は収受した情報で,公表を目的としているもの」に当たるとした事例

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