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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行ウ)215

事件名

 運転免許停止処分取消等請求事件

裁判年月日

 平成19年11月28日

裁判所名

 大阪地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 運転免許停止処分を受けたタクシーの乗務員が,同処分の取消しを求める訴えとともに,その後行った違反行為に基づく再度の運転免許停止処分の差止めを求める訴えを提起した場合において,前記差止めの訴えが,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生じるおそれがある場合」の要件を欠くとして,却下された事例

裁判要旨

 運転免許停止処分を受けたタクシーの乗務員が,同処分の取消しを求める訴えとともに,その後行った違反行為に基づく再度の運転免許停止処分の差止めを求める訴えにつき,行政事件訴訟法37条の4第1項にいう「一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合」とは,それを避けるために事前救済としての当該処分又は裁決をしてはならないことを命ずる方法による救済が必要な損害を生ずるおそれがある場合をいうと解され,当該損害がその処分又は裁決の取消しの訴えを提起して同法25条2項に基づく執行停止を受けることにより避けることができるような性質,程度のものであるときは,これに当たらないと解すべきであるとした上,前記処分を受けた者は,再度の運転免許停止処分がされれば,一定の期間自動車の運転を適法に行うことができなくなり,タクシー乗務員として勤務することが不可能になるという損害等を受けることになるが,勤務先等において自動車の運転を伴わない業務に一時的に就くことまでは禁じられておらず,前記損害については,損害賠償を請求するなどの方法で事後的に回復を図ることが考えられ,名誉や信用等への影響も既に運転免許停止処分を受けていることなどにかんがみると過度に重視することはできないから,前記損害は,同処分の取消しの訴えを提起してその執行停止を受けることによる避けることができるような性質,程度のものであるといわざるを得ず,前記条項の要件を欠くとして,前記訴えを却下した事例

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