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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成18(行コ)99

事件名

 行政文書不開示処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第150号)

裁判年月日

 平成20年1月31日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号(国の安全等に関する情報)該当性の主張立証責任
2 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうち,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務及び非公式の二国間の外交交渉等の事務の対価の経費に関する文書に記載された情報が,いずれも行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報)及び同条6号(平成13年法律第140号による改正前)所定の不開示情報(事務事業情報)に該当するとされた事例
3 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集や交渉の相手方と直接接触した会合の経費に係る文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号,6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当し,請求書,領収書以外の文書の「目的・内容」,「支払方法」,「文書作成者名」,「取扱者名」,「決裁者名」,「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同条3号,6号柱書後段所定の不開示情報に該当し,同文書の「支払予定日」,「支払日」,「支払予定額」,「支払額」に係る情報は同条3号,6号所定の不開示情報に該当しないとされた事例
4 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,在外公館員と我が国関係者(外務大臣,国会議員,外務省職員,総理大臣,政府関係者,他省庁・自治体職員など)との間で行われた会合に係る経費に係る文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同条6号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
5 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,荷物の運搬経費に係る文書に記載された情報のうち,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,領収書以外の文書の「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
6 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,自動車借料経費に係る文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は,同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
7 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,会合用材料購入費に係る文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
8 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,担当職員の食事代に係る文書に記載された情報のうち,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,領収書以外の文書の「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
9 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,「文書作成者名」,「決裁者名」,「取扱者名」の記載のうち,6級職に満たない外務省職員の氏名の情報が,不開示情報の除外事由である行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書イに該当しないとされた事例
10 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうちの,大規模レセプションに係る経費及び酒類購入経費に係る文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「目的・内容」,「支払予定先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
11 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうちの,本邦関係者が外国訪問した際の車両の借上げ等の事務経費に係る文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「目的・内容」,「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとされた事例
12 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうち,文化啓発用の日本画等購入経費に係る文書に記載された情報が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号(平成13年法律第140号による改正前)所定の不開示情報に該当しないとされた事例
13 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうちの,「文書作成者名」,「決裁者名」,「取扱者名」の記載のうち,6級職に満たない外務省職員の氏名の情報が,不開示情報の除外事由である行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書イに該当しないとされた事例

裁判要旨

 1 行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号は,我が国の安全,他国等との信頼関係ないし交渉上の利益を確保することが,国民全体の基本的利益を擁護するために政府に課せられた重要な責務であり,情報公開法制においても,これらの利益を十分に保護する必要があることから設けられた規定であると解され,公にすることにより同号規定のおそれがある情報については,その性質上,当該情報が記録された行政文書の開示・不開示の判断に高度の政策的判断を伴うこと,我が国の安全保障上又は対外関係上の将来予測としての専門的・技術的判断を要することなどの特殊性が認められることから,司法審査の場においては,裁判所は,同号に規定する情報に該当するか否かについての行政機関の長の第一次的な判断を尊重し,その判断が合理性を持つ判断として許容される限度内のものであるかどうか,すなわち,前記開示・不開示の決定に事実認定の誤りがあり,あるいは,社会通念上著しく妥当性を欠くなどの裁量権の逸脱ないし濫用があると認められる点があるかどうかを審理判断することが相当であり,したがって,同号の不開示事由に該当することを理由とする不開示処分の取消請求訴訟においては,開示請求者が,前記裁量権の逸脱濫用があったことを基礎付ける具体的事実について主張立証する責任を負うというべきである。
2 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうち,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務及び非公式の二国間の外交交渉等の事務の対価の経費に関する文書に記載された情報につき,収集の対象となる情報を示す「目的・内容」だけでなく,情報提供者等が明らかとなる「支払予定先」,「支払先」,情報提供者等との直接の接点である「取扱者名」,「文書作成者名」,その所属部署が明らかとなる「決裁者名」,情報収集活動の手法等が明らかとなる「支払予定額」,「支払額」,「支払予定日」,「支払日」等,一切の記載事項が公にされれば,情報提供者等の協力を得ることができなくなり,我が国が情報収集や外交工作等の活動を遂行することが著しく困難となり,また,我が国と他国等との信頼関係が損なわれたり,他国等との外交交渉上不利益を被るおそれがあり,さらに,適正な外交事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとして,前記情報は,いずれも行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報)及び同条6号(平成13年法律第140号による改正前)所定の不開示情報(事務事業情報)に該当するとした事例
3 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集や交渉の相手方と直接接触した会合の経費に係る文書に記載された情報につき,情報収集,外交工作等の活動は,会合における意見交換等を通じて行うのであるから,相手方と外務省職員との信頼関係の存在は会合を持つための不可欠の前提であり,非公式な会合であるとして上記活動を行っていることからすると,出席者名の特定につながる情報である「目的・内容」,「支払方法」,出席者との直接の接点である「文書作成者名」,「取扱者名」,その所属部署が明らかとなる「決裁者名」は秘匿性が高いと認められ,「支払予定先」,「支払先」は,これが公にされると,非公式の会合の場所が明らかとなり,出席者の安全確保の問題が生じるおそれがあるほか,支払先に対し他国から圧力がかかるおそれも否定できないとして,また,請求書,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,他方,「支払予定日」,「支払日」,「支払予定額」,「支払額」は,これが開示されたとしても,出席者との信頼関係を維持することができなくなる蓋然性は認められないとして,前記文書のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条3号,6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当し,請求書,領収書以外の文書の「目的・内容」,「支払方法」,「文書作成者名」,「取扱者名」,「決裁者名」,「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同条3号,6号柱書後段所定の不開示情報に該当し,同文書の「支払予定日」,「支払日」,「支払予定額」,「支払額」に係る情報は同条3号,6号後段所定の不開示情報に該当しないとした事例
4 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,在外公館員と我が国関係者(外務大臣,国会議員,外務省職員,総理大臣,政府関係者,他省庁・自治体職員など)との間で行われた会合に係る経費に係る文書に記載された情報につき,我が国関係者が他国を訪問し,その際,在外公館員と訪問国の諸情勢について意見交換等のために会合を持つことは外交事務の遂行上ごく自然なことと考えられ,訪問国もそのような会合が自国において開催されることは当然想定しているところであると認められるところ,前記文書に記載された情報のうち,会合の場所に関する情報である「支払予定先」,「支払先」に係る情報は,これを公にすることにより,出席者等の安全確保を困難にするとの事態が生ずる蓋然性が認められ,ひいては外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができ,その余の情報については,それを公にしたとしても,前記安全確保の問題とは関係がなく,非公式の会合であるから外交儀礼上の問題が生ずるとも考えられないとして,また,請求書,領収書に記載された情報は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,前記文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同条6号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
5 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,荷物の運搬経費に係る文書に記載された情報につき,前記文書に記載された情報のうち,運搬の依頼先に関する情報である「支払先」は,これを公にすることにより,関係者の安全確保を困難にするとの事態が生ずる蓋然性が認められ,ひいては外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができ,その余の情報は,それが公にされたとしても,前記安全確保の問題とは関係がないとして,また,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,前記文書に記載された情報のうち,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,領収書以外の文書の「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
6 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,自動車借料経費に係る文書に記載された情報につき,車両の調達先等に関する情報である「支払予定先」,「支払先」は,これを公にすることにより,関係者の安全確保を困難にするとの事態が生ずる蓋然性が認められ,ひいては外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができ,その余の情報は,それを公にしたとしても,前記安全確保の問題とは関係がないとして,また,請求書,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,前記文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は,同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
7 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,会合用材料購入費に係る文書に記載された情報につき,会合用材料は主に飲食物等であると推認するのが相当であるとした上,会合用材料の調達先等に関する情報である「支払先」は,これを公にすることにより,関係者の安全確保を困難にする事態が生ずる蓋然性が認められ,ひいては外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができ,その余の情報は,それを公にしたとしても,前記安全確保の問題とは関係がないとして,また,請求書,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,前記文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
8 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,担当職員の食事代に係る文書に記載された情報につき,前記担当職員の食事代は,訪米した国会議員の宿泊先において,当該国会議員と米国関係者との会合の準備に関連した在米大使館員の食事代であるから,食事の調達先等に係る情報である「支払先」は,これを公にすることにより,安全確保を困難にする事態が生ずる蓋然性が認められ,ひいては外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができ,その余の情報は,それが公にされたとしても,前記安全確保の問題とは関係がないとして,また,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,前記文書に記載された情報のうち,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,領収書以外の文書の「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
9 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書以外の有償の情報収集等の事務の会合,非公式の二国間の外交交渉等の事務の会合及び国際会議等における非公式の多国間交渉の事務の会合の経費に関する文書のうちの,情報収集等又は二国間,多国間の交渉そのものではなく,その交渉の準備又はその交渉結果を踏まえた対応の検討のための会合の経費に係る文書のうちの,「文書作成者名」,「決裁者名」,「取扱者名」の記載のうち,6級職に満たない外務省職員の氏名の情報につき,前記職員の氏名は,人事異動の官報への記載,行政機関が公にする意思をもって提供した情報を基に作成された市販の職員録への記載がないものと認められるとして,前記職員の氏名の情報は,不開示情報の除外事由である行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書イに該当しないとした事例
10 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうちの,大規模レセプションに係る経費及び酒類購入経費に係る文書に記載された情報につき,前記文書の記載事項のうち,料理等の調達先及び招待者に関する情報である「目的・内容」,「支払予定先」は,これを公にすることにより,参加者の安全確保を困難にする事態が生ずる蓋然性を認めることができ,ひいては外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができるとして,また,請求書,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,他方,「支払予定額」,「支払額」,「文書作成者名」,「決裁者名」,「取扱者名」等は,これを公にしたとしても,安全確保の問題とは関係がなく,外交儀礼上の問題が生ずるとも考えられず,他国との信頼関係が損なわれたり,外交交渉上不利益を被ったりするおそれがあるとも認められないなどとして,前記文書に記載された情報のうち,請求書,領収書は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「目的・内容」,「支払予定先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
11 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうちの,本邦関係者が外国訪問した際の車両の借上げ等の事務経費に係る文書に記載された情報につき,車両の調達先,事務連絡室の所在等に関する情報である「目的・内容」,「支払予定先」,「支払先」は,これを公にすることにより,安全確保を困難にする事態が生ずる蓋然性を認めることができ,外交事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるということができるとして,請求書,領収書は,これらから「支払先」が公になり,その体裁上一体となった情報であるとして,他方,「支払予定額」,「支払額」,「文書作成者名」,「決裁者名」,「取扱者名」は,これを公にしたとしても,安全確保の問題とは関係がなく,外交儀礼上の問題が生ずるとも考えられず,他国との信頼関係が損なわれたり,外交交渉上不利益を被ったりするおそれがあるとも認められないとして,前記文書に記載された情報のうち,請求書,領収書に記載された情報は,その全体が行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号柱書後段(平成13年法律第140号による改正前。以下同じ。)所定の不開示情報に該当し,請求書,領収書以外の文書の「目的・内容」,「支払予定先」,「支払先」に係る情報は同号柱書後段所定の不開示情報に該当し,その余の情報は同条3号,6号所定の不開示情報(国の安全等に関する情報,事務事業情報)に該当しないとした事例
12 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうち,文化啓発用の日本画等購入経費に係る文書に記載された情報につき,事務の適正な遂行の観点から,公費を用いて備品の購入をするに際し購入価額等を明らかにするのが当然であるところ,これを秘匿しなければ今後の調達に支障を及ぼすおそれがあると認めることはできないとして,前記情報は行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条6号(平成13年法律第140号による改正前)所定の不開示情報に該当しないとした事例
13 外務省の大臣官房及び4か国の在外日本国大使館における「報償費」の費目による支出の内容がわかる文書のうちの,前記支出と同種の支出についての会計検査院の検査により,報償費ではなく他の費目で支出するよう改善する必要があると指摘された各類型の経費(大規模レセプションの経費,酒類購入経費,本邦関係者が外国訪問した際の車の借り上げ等の事務経費,文化啓発用の日本画等購入経費)に係る文書のうちの,「文書作成者名」,「決裁者名」,「取扱者名」の記載のうち,6級職に満たない外務省職員の氏名の情報につき,前記職員の氏名は,人事異動の官報への記載,行政機関が公にする意思をもって提供した情報を基に作成された市販の職員録への記載がないものと認められるとして,前記職員の氏名の情報は,不開示情報の除外事由である行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条1号ただし書イに該当しないとした事例

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