裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成19(行コ)215
- 事件名
贈与税決定処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成17年(行ウ)第396号)
- 裁判年月日
平成20年1月23日
- 裁判所名
東京高等裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
外国法人の出資口の贈与に係る贈与税の決定処分及び無申告加算税賦課決定処分を受けた者が,贈与日に日本に住所を有せず,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)1条の2第1号により納税義務を負わないとしてした前記各処分の取消請求が,棄却された事例
- 裁判要旨
外国法人の出資口の贈与に係る贈与税の決定処分及び無申告加算税賦課決定処分を受けた者が,贈与日に日本に住所を有せず,相続税法(平成15年法律第8号による改正前)1条の2第1号により納税義務を負わないとしてした前記各処分の取消請求につき,一定の場所が住所たる生活の本拠に当たるか否かは,住居,職業,生計を一にする配偶者その他の親族の存否,資産の所在等の客観的事実に,居住者の言動等により外部から客観的に認識することができる居住者の居住意思を総合して判断するのが相当であり,単に滞在日数が多いかどうかによってのみ判断すべきものでもないとした上,前記の者は,公認会計士から説明及び指導を受け,前記贈与前から国外に居住していれば多額の贈与税を課されないことを認識し,また前記贈与後の国内滞在日数が多すぎないように注意を払い,滞在日数を調整していたものであって,さらに,前記贈与前後の約3年半の期間より前については,妻子とともに国内の自宅に居住し,同期間中も同自宅の居室はそのままの状態で維持されていたこと,同期間中4日に1日以上の割合で同自宅に滞在したこと,前記の者が上場企業である国内法人の役員であり,同法人の経営者になることが予定されていたこと等の事実関係の下では,同人が,前記期間のうち約3分の2の日数,国外に滞在し,国外の法人の代表者としての地位にもあったこと等を考慮しても,国外の自宅は,生活全体からみれば生活の本拠ということはできず,国外滞在中の生活の本拠は,国内の自宅であったと認めるのが相当であるとして,前記請求を棄却した事例
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