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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成21(行ウ)57

事件名

 消費税更正処分等取消請求事件

裁判年月日

 平成23年7月15日

裁判所名

 福岡地方裁判所

分野

 行政

判示事項

 内航海運業者の組合における船舶建造の調整事業の解消に伴う暫定措置事業に関し,組合員が他の組合員から「留保対象トン数使用承諾書」を取得した取引が,消費税法2条1項12号の課税仕入れに当たるとされた事例

裁判要旨

 内航海運業者の組合における船舶建造の調整事業の解消に伴う暫定措置事業に関し,組合員が他の組合員から「留保対象トン数使用承諾書」を取得した取引につき,消費税法2条1項8号及び12号にいう「資産」とは,取引の対象となる一切の資産をいい,権利その他の無形資産も含まれ,また,同項8号にいう資産の「譲渡」とは,資産についてその同一性を保持しつつ他人に移転させることをいうところ,留保対象トン数を有する組合員が自己の留保対象トン数を使用して前記組合に対して納付すべき新造船舶に係る建造等納付金の免除を受けることができる権能は,前記組合に対する債権ないし債権類似の権利であると解され,「留保対象トン数使用承諾書」を取得する取引の対象は,前記権利であり,「取引の対象となる権利」にほかならず,かつ,前記取引は,売買契約の形式を取っており,買主である組合員は,売主である組合員から留保対象トン数を使用して前記建造等納付金の免除を受ける前記権利の移転を受け,その対価として売買代金を支払ったものと認められ,前記権利は,前記取引によって消滅したり,減少したりすることはなく,前記取引は,売買契約によって資産の同一性を保持しつつ他人に資産を移転したものであり,資産の「譲渡」に該当するから,「留保対象トン数使用承諾書」を取得した前記取引は,消費税法2条1項12号の課税仕入れに当たるとした事例

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