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行政事件 裁判例集

事件番号

 平成25(行コ)31

事件名

 所得税納税告知処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第385号)

裁判年月日

 平成25年5月30日

裁判所名

 東京高等裁判所

分野

 行政

判示事項

 会社の従業員らに対する慰安旅行に係る経済的利益の供与が,所得税法(平成22年法律第6号による改正前)28条1項に規定する「給与等」の支払に当たるとされた事例

裁判要旨

 会社の従業員らに対する慰安旅行に係る経済的利益の供与につき,所得税法(平成22年法律第6号による改正前)28条1項の「給与等」とは,雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者等の指揮命令に服して提供した非独立的な労務の対価として受ける給付をいうものであると解され,その給付の形式は,金銭の支払には限られず,金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の移転又は供与であっても,それが前記のような労務の対価としてされたものであれば,前記「給与等」の支払に当たるものというべきであるところ,前記旅行は,前記会社代表者による企画立案の下,同社が主催して実施されたものであり,2泊3日の旅程で,マカオを目的地及び滞在地とし,同社代表者,前記従業員ら及び外注先の従業員等を参加者として行われたものであること,その費用の全額を同社が負担したことによれば,前記従業員らは,前記旅行に参加することにより,その使用者である同社から前記旅行に係る経済的な利益の供与を受けたものであると認めるのが相当であり,また,前記旅行は,専らレクリエーションのための観光を目的とする慰安旅行であったと認めるのが相当であるから,前記旅行に参加した前記従業員らは,その使用者である前記会社から,雇用契約に基づき同社の指揮命令に服して提供した非独立的な労務の対価として,前記旅行に係る経済的な利益の供与を受けたものであるとして,前記経済的利益の供与は,所得税法(平成22年法律第6号による改正前)28条1項に規定する「給与等」の支払に当たるとした事例

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