裁判例結果詳細
行政事件 裁判例集
- 事件番号
平成21(行ウ)194
- 事件名
生活保護申請却下処分取消等請求事件
- 裁判年月日
平成25年10月31日
- 裁判所名
大阪地方裁判所
- 分野
行政
- 判示事項
生活保護の開始申請に対し,稼働能力を活用していないとして社会福祉事務所長がした同申請の却下決定の取消請求が,認容された事例
- 裁判要旨
生活保護の開始申請に対し,稼働能力を活用していないとして社会福祉事務所長がした同申請の却下決定の取消請求につき,生活保護法4条1項の保護の補充性の要件のうち,生活に困窮する者が,その利用し得る能力を,その最低限度の生活の維持のために活用することという稼動能力活用の要件の判断は,[1]稼働能力の有無,[2]稼働能力を活用する意思の有無,[3]稼働能力を活用する就労の場の獲得の可否によって行うのが相当であり,具体的には,[1]稼動能力の有無について,稼働能力がある場合には,その程度については,申請者の年齢や健康状態,申請者の生活歴,学歴,職歴,申請者が有している資格等を総合的に勘案して判断すべきであり,[2]稼働能力を活用する意思の有無については,前記のような申請者の資質や困窮の程度等を勘案し,当該申請者について社会通念上最低限度必要とされる程度の最低限度の生活の維持のための努力を行う意思が認められる以上は,それが一般的にみれば更なる努力をする余地があったとしても,なお稼働能力を活用する意思を有していると認めるのが相当であり,[3]稼働能力を活用する就労の場の獲得の可否については,申請者の稼働能力の程度等も踏まえた上で,当該申請者が求人側に対して申込みをすれば原則として就労する場を得ることができるような状況であったか否かを基準として判断すべきであるとした上で,当該申請者は,当該申請を却下された当時,稼働能力を有し,その稼働能力を活用する意思も有していたものの,稼働能力を活用する就労の場を得られる状況になかったため,就労していなかったことが認められ,その妻は,実際に就労の場を得ていたと認められるから,いずれも稼働能力活用の要件を充足しており,同法4条1項所定の要件を充足しているとして,前記請求を認容した事例
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