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事件番号
 平成27(行ウ)315
事件名
 処分取消請求事件
裁判年月日
 平成29年4月21日
裁判所名
 東京地方裁判所
分野
 行政
判示事項
 1 金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の取消訴訟と当該外務員の原告適格
2 上場会社等による公募増資の実施の公表が特定の日らしいとの趣旨の当該公表前の推測情報の,金融商品取引業等に関する内閣府令1条4項14号所定の法人関係情報該当性
3 金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号にいう顧客に対する勧誘行為があったといえるための要件
4 金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の取消訴訟を当該外務員が提起した場合における,当該処分が行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠いた違法の行政事件訴訟法10条1項にいう「自己の法律上の利益に関係のない違法」該当性
5 金融商品取引法64条の5第1項2号に基づき,金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号所定の行為があったとしてされた外務員の登録を取り消す旨の処分が,行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法であるとされた事例
裁判要旨
 1 金融商品取引業者等との間で労働契約を締結し,外務員の登録を受けて当該金融商品取引業者等の外務員の職務に従事していた者は,自己についてされた当該金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の法的効果による労働契約上の権利の制限を受ける者として,当該処分の取消訴訟における原告適格を有する。
2 金融商品取引法163条1項に規定する上場会社等による公募増資の実施の公表が特定の日らしいとの趣旨の当該公表前の推測情報は,これにその推測過程に照らして相当程度の確度ないし信憑性が備わっているものと認めることができる場合には,当該上場会社等の運営,業務又は財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断に影響を及ぼすと認められるものとして,金融商品取引業等に関する内閣府令1条4項14号所定の法人関係情報に該当する。
3 金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号にいう顧客に対する勧誘行為があったといえるためには,単に法人関係情報を提供する行為があっただけでは足りず,法人関係情報を提供した相手方との人的関係や法人関係情報を提供した際の言動等に照らし,当該相手方に対して同号に定める取引等を当該金融商品取引業者等の顧客として行うことを勧誘する行為が少なくとも黙示的に行われたことを要する。
4 金融商品取引業者等との間で労働契約を締結し,外務員の登録を受けて当該金融商品取引業者等の外務員の職務に従事していた者が自己についてされた当該金融商品取引業者等を名宛人とする金融商品取引法64条の5第1項の規定による外務員の登録を取り消す旨の処分の取消訴訟を提起した場合において,当該処分が行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠いた違法は,当該外務員にとって行政事件訴訟法10条1項にいう「自己の法律上の利益に関係のない違法」であるとはいえない。
5 金融商品取引法64条の5第1項2号に基づき,金融商品取引業等に関する内閣府令(平成26年内閣府令第7号による改正前のもの)117条1項14号所定の行為があったとしてされた外務員の登録を取り消す旨の処分は,次の(1)~(3)など判示の事情の下では,行政手続法14条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法である。
(1)当該処分の通知書において,処分の理由として,当該外務員が,特定の年月に,有価証券の売買その他の取引について,顧客に対して当該有価証券の発行者の法人関係情報を提供して勧誘を行ったことが,法令に違反する行為と認められる旨と,上記の各根拠法条が記載されているのみで,「顧客」,「当該有価証券の発行者の法人関係情報」,「勧誘」等に該当する具体的な事実が記載されていない。
(2)当該行為があったとされる当時,当該外務員が法人関係情報を提供した相手方として処分者が認識していた者は当該金融商品取引業者に口座を持つ顧客ではなかった一方で,当該外務員と当該相手方は個人的に業務に関する情報交換を毎日のように行っていたという事実があり,上記通知書中の理由の記載において,処分者の認識する「顧客」,「当該有価証券の発行者の法人関係情報」及び「勧誘」の内容が具体的に示されなければ,当該処分の名宛人である当該金融商品取引業者及び当該処分に係る当該外務員において,処分者の認識する処分の具体的な理由を認識することは困難である。
(3)当該処分時には上記(2)の事実を示す証拠が存在しており,処分者においても上記(2)のような当該処分の名宛人及び当該外務員における処分理由の認識の困難さを予見することができた。
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