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名古屋地方裁判所長

伊藤 納(いとうおさむ)

(昭和28年7月10日生)

裁判員制度10年目を迎えて

 皆さん,こんにちは。今日は,裁判員制度が施行された記念の日です。平成21年5月21日に裁判員制度が始まってから丸9年が経過し,今日で10年目に入りました。その年に生まれた子どもたちは小学校3年生になります。制度を運営していくための準備はその5年前から始まっており,その年に生まれた子供たちであれば,もう中学2年生です。これからの社会を担う世代の方々は,学校教育で必ず裁判員制度について学んでおり,裁判員制度は当たり前の存在になってきています。

 「裁判員制度」や「裁判員裁判」の言葉は,毎日のテレビや新聞等でのニュースでも出てきますので,よく耳にされ,身近に感じられていると思います。ただ,その内容や役割となると,自信を持って説明できる方は少ないのではないでしょうか。テレビや新聞等で伝えていることにちょっと注意していただくとともに,このウェブサイトにも分かりやすくご質問に答えているコーナーがありますので,ご覧いただければと思います。(「裁判員についての質問にお答えします」へ)

 また,裁判員裁判への参加について,「難しくて疲れそうだ」,「時間がかかるのではないか」,「職場の上司が嫌がるだろう」,「自分が参加しなくても誰も困らないだろう」などと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 しかし,昨年にもご紹介しましたが,裁判員の経験をされたほとんどの方々がよい経験であったと言われています。具体的には「裁判員をやらせていただいて視野が変わり,ニュースを見る目も変わりました。日常にはない,よい経験となりました」,「何となく気が重い一面がありましたが,いろいろ話し合っていく上で,刑というものはこうやって決められていくんだなと分かって,すごく意義があったと感じています。」などの感想をお聞きしています。(全国のアンケート結果はこちら(PDF:994KB)へ)

 このような声をできるだけ多くの方に知っていただきたいと思いますが,まだまだ広報活動が足りていないのではないかと思います。そこで,名古屋地裁では,裁判員経験者の方々の声を広く紹介するとともに,会社等で,従業員が裁判員候補者になったときに周囲の方から御理解・御協力をいただけるように,商工会議所の会議等の貴重なお時間をお借りして,裁判官等が経営者の皆様等に直接,裁判員制度についてのお話をさせていただき,御協力をお願いする取組をしています。

 また,毎年11月頃,翌年の裁判員候補者名簿に登載された方に,裁判所から通知をお送りしますが,いきなり裁判所から書類が届いて驚かれる方もいらっしゃると思います。そこで,皆様の目に触れやすいように,県内の市町村に対して,裁判所から通知が届く時期です,という記事を広報誌に掲載していただくよう依頼をしています。昨年は,多くの自治体の広報誌に記事を掲載していただきましたので,お読みになられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 裁判員裁判を始めとして,国民にとって身近で利用しやすく,分かりやすく,頼りがいのある裁判所を実現していくために,少しずつでも地道な取組をしてまいりたいと思いますので,今後ともよろしくお願いします。

平成30年5月21日



新年度のご挨拶

 皆さん,こんにちは。例年よりも早く桜が咲き,新緑も芽生えつつあるなか,今日から新年度が始まりますが,「春バテ」という言葉を最近耳にするようになりました。時節柄,寒暖差の大きいことで体力を消耗し,花粉症や環境の変化によるストレスなどで体調不良になることが多くありますが,そのことを指すようです。皆さんも体調管理にはくれぐれも御注意ください。

 言葉の話題をもう一つ。ちょうど十年前に,「組織の活性化のためには,『よそ者』,『若者』,『ばか者』の存在が大切である」という言葉を知りました。組織の中にいる人には気付かなくなっていることを,「よそ者」ならではの新しい目で気が付いたことを指摘することが組織の活性化のためには大切であり,「若者」はその指摘を受けて柔軟な発想でフットワークよく動き,そして,「ばか者」と言われてでも信念を貫く人がいると,活性化が定着し,長く続いていくということを示す言葉です。

 その言葉を知った当時は裁判員制度の実施に向けた準備の最中でしたので,私は,一人の刑事事件の担当裁判長として,先ほどの言葉を裁判員制度に重ね合わせました。職業法律家だけで行っていた刑事裁判に,一般国民である裁判員の方にいわば「よそ者」として加わっていただき,新しい目から見た問題提起をしていただくことで,裁判をよりよくするものが裁判員制度であると得心できました。その後,裁判員裁判に携わった際に,見過ごしていた点を裁判員の方に指摘されて改めて議論したことや,裁判員の方が証人に質問することで議論が深まったことを通じて,新しい目での指摘が裁判をよりよいものにしていくことを実感しました。

 この4月に入学や就職,転勤などで新しい環境に入る方々にとっては,不安もある時期だと思います。新しい環境に早く慣れることも大切ですが,「よそ者」ならではの新しい目からの気付きを指摘することも組織の活性化のためには大切なことと思います。受け入れる側も「若者」のように柔軟な発想で一緒に考えて見直し,よいと思ったことは「ばか者」と言われても信念を持って取り組んでいく,そのようなことを考えてみてはいかがでしょうか。
 皆さんがそれぞれの立場で,「春バテ」に負けず,フレッシュな気持ちで元気に,新しい年度を始められることを祈念しております。

平成30年4月2日




新年のご挨拶

 皆さん,明けましておめでとうございます。新しい年を迎え,それぞれこの1年に向けての決意や抱負に思いを巡らせておられることと思います。私もこれまでを振り返りつつ,国民の皆さんに,より一層裁判所のことを理解していただき,身近に感じていただくために,裁判所の在り方を考えているところです。

 ところで,裁判所のイメージですが,司法制度改革,特に裁判員制度の導入により,以前と比べれば裁判所が身近になってきていると思っていましたが,最近も,一般の方から,近寄りがたく堅いというイメージだと聞いて,まだまだ遠い感じなのだと落ち込んだことがありました。やはり,堅苦しいというイメージはまだ変わらないままなのでしょうか。
 一方で,裁判員の方々からの感想では,「裁判所はすごく堅いところと思って覚悟して来ましたが,裁判所らしくなくて安心しました」などと聞くことがあります。裁判員等選任手続を始めとして,裁判員や候補者の方々と接する機会のある裁判所職員の姿を御覧になられて,そのような誉め言葉をいただいたものと嬉しく思っています。ただ,本当は,「裁判所らしくない」ではなく,「裁判所らしい」という言葉こそが,公平で誠実という趣旨での誉め言葉になる,そういう裁判所を作っていきたいと思っています。

 そのような裁判所を作る足がかりとして,裁判所職員の行っている仕事について,より広く理解を深めていただこうと,学生を中心とした一般の方に参加していただく企画「裁判所インターンシップ」と「業務体験会」を昨年12月に開催したところ,多くの方に御参加いただき,たいへん盛況でした。「裁判所インターンシップ」では,民事裁判に関する書記官の仕事を,「業務体験会」では,刑事裁判に関する書記官の仕事を,それぞれ疑似体験していただきました。参加者からは活発に質問が出て,熱気のこもる会場で,担当職員達も自分たちの仕事を振り返りながら,熱心に説明していました。アンケートには,多くの方々が,思っていた裁判所のイメージが覆されましたなどと書いておられました。少しでも裁判所の仕事への御理解が深まれば幸いです。このような機会を今後も設けていきたいと思っています。

 一般的にもそうかと思いますが,組織の中にいると,外部からの指摘に鈍感になりがちです。心していかないといけないと思います。また,逆に,外からはどう見られているかについても関心を持ち,イメージと実際の双方において,信頼される裁判所を作っていきたいものです。今後も,国民にとって,身近で利用しやすく,分かりやすく,頼りがいのある裁判所を作っていくために,地道に発信をしていきたいと思っております。本年もよろしくお願いいたします。

平成30年1月1日




法を身近に

 皆さん,こんにちは。今日10月1日は,「法の日」です。

●法の日とは
 法の日は,法を身近に感じていただきたいとの趣旨で設けられているものです。愛知県内でも,裁判所,検察庁,法務局,弁護士会による行事等,各種取組が今年も行われます。法についての理解を深めるきっかけにしていただければ幸いです。
 この「法の日」の定められた経緯は,昨年の挨拶「法の日に寄せて」(こちら(PDF:111KB))をご覧いただきたいと思います。
 「法を身近に」ということで,まず思い浮かべていただくのが裁判員裁判であるとしたら,大変ありがたいことです。裁判員制度は,市民のご理解によって支えられており,今後,裁判員裁判の経験者が増えるにつれ,ますます裁判所が身近な存在になっていくことを願っています。

●トラブルに巻き込まれたら
 多くの方々は,裁判所に対して,余り近付きたくないところというイメージを持っているかもしれません。
 私たちは,日頃,平穏な暮らしを願っていると思いますが,突然,何かの拍子にトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。そのような場合に,誠実に話し合えば解決できるだろうと思っていても,うまく話し合いが進まないこともあります。相手の言っていることが一方的な言い分に思えて不安になることや,途中で感情的にもつれてしまうこともあると思います。
 そのような場合に,例えば,法律的にはどうなるんだろうか,公平な立場で話し合いの間に入ってくれる存在があるといいな,しかも秘密を守って欲しいし,かといって高い費用では困る,などと思われるのではないでしょうか。

●「民事調停」とは
 法律を踏まえ,第三者を交えて話し合いでの解決を,安い費用で可能にするのが「民事調停」です。ここでいう「民事」とは,私たちの普段の生活のなかで起こる法律上の争いのことをいいます。「民事調停」の手続きはトラブルを抱えた人からの申立てにより,裁判所で行いますが,非公開の話し合いで解決しようというものですから,いわゆる裁判というわけではありません。
 トラブルを解決するために,この「民事調停」は役に立つ良い制度だと思うのですが,ご存じない方が多く,余り活用されていないのが実情です。そこで,多くの方々に活用してもらうためにも,広く「民事調停」の制度を周知することが必要と考えています。

●より広い活用のために
 先日開催した地方裁判所委員会で,「民事調停の活用について」を取り上げました。そこでは,分かりやすく効率的な広報活動が大事である,特に,トラブルを抱えて困っている人たちから相談を受けるような立場の人たちを重点に広報をしたらどうか,説明もより理解しやすい馴染みのある分かりやすい表現を心がけたらどうかなどの意見が出されました。
 このようなご意見も踏まえ,国民の期待に応え,より身近な裁判所に向けて努力してまいりますので,今後ともよろしくお願いします。

平成29年10月1日
 
 
 
 

(過去のメッセージはこちら)

裁判員制度施行8周年を迎えて(平成29年5月21日) (PDF:108KB)

「実は身近な裁判所」(平成29年4月3日) (PDF:93KB)

新年のご挨拶(平成29年1月6日) (PDF:128KB)

法の日に寄せて(平成28年10月1日) (PDF:111KB)

裁判員制度施行7周年を迎えて(平成28年5月21日) (PDF:107KB)

新年度を迎えて(平成28年4月1日) (PDF:96KB)

新年のご挨拶(平成28年1月4日)(PDF:86KB)

着任のご挨拶(平成27年12月18日)(PDF:89KB)

経歴

昭和54年  4月    東京地方裁判所判事補
昭和56年  4月    最高裁判所事務総局刑事局付
昭和58年  8月    東京地方裁判所判事補
昭和60年  8月    旭川地方・家庭裁判所判事補
昭和63年  4月    東京地方裁判所判事補
平成元年  4月    東京地方裁判所判事
平成  3年  8月    法務総合研究所(アジア極東犯罪防止研修所)教官
平成  7年  4月    最高裁判所事務総局刑事局第二課長
平成10年  9月    東京地方裁判所判事
平成12年  3月    司法研修所教官
平成16年  4月    名古屋高等裁判所判事
平成17年  4月    名古屋地方裁判所判事(部総括)
平成24年  4月    鹿児島地方・家庭裁判所長
平成25年  7月    岐阜地方・家庭裁判所長
平成27年12月    名古屋地方裁判所長