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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和57(オ)560

事件名

 損害賠償

裁判年月日

 昭和60年3月28日

法廷名

 最高裁判所第一小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 民集 第39巻2号333頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和50(ネ)1661

原審裁判年月日

 昭和56年10月21日

判示事項

 洪水により決壊した堤防の背後に設置された仮堤防につき河川管理の暇瑕がないとされた事例

裁判要旨

 洪水により決壊した堤防の背後に設置された仮堤防が約一年後に前年をはるかに上回る豪雨のため破堤したとしても、その設置に当たりかかる連年の災害を受ける危険を予測しなかつたことに無理からぬ事情があり、右仮堤防が本堤防完成までの二年間の出水に対処する目的で応急対策として短期間に築造された仮の施設であつて、その築堤材料に砂丘砂を単一使用したこと及び築堤材料の点を除く断面・構造を決壊した堤防と同じくしたことにつき、過去の水害の発生状況、仮堤防の存置期間等から予測しうべき水害についてはその発生を防止して後背地の安全を確保したものとして、時間的、財政的及び技術的制約のもとでの同種・同規模の河川に同趣旨で設置する仮堤防の設計施工上の一般水準ないし社会通念に照らして是認することができるときは、その断面・構造に河川管理の瑕疵があるとはいえない。

参照法条

 国家賠償法2条1項

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