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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和26(あ)2357

事件名

 団体等規制令違反、犯人藏匿

裁判年月日

 昭和27年4月9日

法廷名

 最高裁判所大法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 刑集 第6巻4号584頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日

 昭和26年5月30日

判示事項

 一 団体等規制令第一〇条第三項による法務総裁の出頭要求の効力に関する裁判所の審判権限
二 刑訴第三二一条第一項第二号の法意
三 証人が証言を拒む場合と刑訴第三二一条第一項第二号の適用

裁判要旨

 一 団体等規制令一〇条による法務総裁の出頭要求命令の効力についての争訟は日本の裁判所が裁判権を有しないと解すべきことは昭和二五年(オ)一四七号同年七月五日大法廷判決(民事判例集四巻七号二六四頁以下)及び昭和二三年(れ)一八六二号昭和二四年六月一三日大法廷判決(刑事判例集三巻七号九七四頁以下)の趣旨に徴して明らかなところであるから、被告人Aに対する本件出頭要求命令を無効なりと主張する各論旨は採用することができない。
二 刑訴第三二一条第一項第二号の規定に供述者が供述することができないときとしてその事由を掲記しているのは、その供述者を裁判所において証人として尋問することを妨ぐべき障碍事由を示したもので、これと同様またはそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨げるものではない。
三 本件におけるが如く、Bが第一審裁判所に証人として喚問されながらその証言を拒絶した場合にあつては、検察官の面前における同人の供述につき被告人に反対尋問の機会を与え得ないことは右規定にいわゆる供述者の死亡した場合と何等選ぶところはないのであるから、原審が所論のBの検察官に対する供述調査の記載を、事実認定の資料に供した第一審判決を是認したからといつて、これを目して憲法第三七条第二項に違反すると即断することは出来ない。

参照法条

 団体等規正令10条1項3項,団体等規正令13条3号,刑訴法321条1項2号,刑訴法146条,刑訴法147条,憲法37条2項

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