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最高裁判所判例集

事件番号

 昭和54(行ツ)134

事件名

 審決取消

裁判年月日

 昭和59年3月13日

法廷名

 最高裁判所第三小法廷

裁判種別

 判決

結果

 棄却

判例集等巻・号・頁

 集民 第141号339頁

原審裁判所名

 東京高等裁判所

原審事件番号

 昭和49(行ケ)128

原審裁判年月日

 昭和54年6月28日

判示事項

 特許を無効にする審決が適法な理由の記載を欠くとして違法とされた事例

裁判要旨

 モノアゾ染料の製法の発明についての特許が特許法二九条二項の規定に違反し無効であるとする審決の審決書に、その理由として、「本件特許の上記第一番目の発明において、その余の成分を使用する場合については、該成分はいずれも上記成分と同様に使用できる相互置換容易の化合物であり、さらに生成染料について、本件特許明細書には、該染料が、ある特定の成分を使用した場合のみ著しく価値あるものとすべき十分の根拠を示していないことから判断して、夫夫の生成染料は上記染料と同程度の価値のものとしての認識を出ていないものと解するを相当とする。」と記載されているだけで、右判断の根拠が証拠による認定事実に基づき具体的に明示されていない場合には、審決書は特許法一五七条二項四号の要求する審決理由の記載を欠くものであり、右審決は違法である。

参照法条

 特許法157条2項4号

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