裁判例結果詳細
最高裁判所判例集
- 事件番号
平成16(受)424
- 事件名
不当利得返還請求事件
- 裁判年月日
平成18年1月24日
- 法廷名
最高裁判所第三小法廷
- 裁判種別
判決
- 結果
破棄差戻
- 判例集等巻・号・頁
集民 第219号243頁
- 原審裁判所名
福岡高等裁判所
- 原審事件番号
平成15(ネ)229
- 原審裁判年月日
平成15年11月28日
- 判示事項
1 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の効力
2 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下での制限超過部分の支払の任意性の有無
- 裁判要旨
1 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借に,債務者が元本及び約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の約定が付されている場合,同約定中,債務者が約定利息のうち制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は,同法1条1項の趣旨に反して無効であり,債務者は,約定の元本及び同項所定の利息の制限額を支払いさえすれば,期限の利益を喪失することはない。
2 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借において,債務者が,元本及び約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の約定の下で,利息として上記制限を超える額の金銭を支払った場合には,債務者において約定の元本と共に上記制限を超える約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り,制限超過部分の支払は,貸金業の規制等に関する法律43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない。
(2につき意見がある。)
- 参照法条
(1,2につき)利息制限法1条1項,民法136条 (2につき)貸金業の規制等に関する法律43条1項
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